プロ注目高松商・浅野翔吾、イチロー氏金言「疲れても全力で形を作る」でフルスイング適時二塁打

今秋ドラフト候補の高松商・浅野翔吾外野手は1回に先制の左中間適時二塁打を放つなどパワフルな打撃を見せた

<高校野球四国春季大会:高松商7-0松山商>◇23日◇1回戦◇JAアグリあなん

四国大会が開幕し、春夏甲子園4度優勝の高松商(香川)が松山商(愛媛)との伝統校対決を8回コールドで制した。今秋ドラフト候補で高校通算44本塁打の浅野翔吾外野手(3年)が先制適時二塁打で貢献。昨年12月にマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(48)から指導を受け、10安打7得点で押し切った。

    ◇    ◇    ◇

大砲の豪快なフォロースルーは絵になる。1回1死二塁。3番浅野は内角速球に詰まったが、軸を崩さず振り切った。打球は左中間へ。先制二塁打で、猛攻の口火を切った。「しっかり振れて、あそこまで飛んで良かった」。4打数1安打だったが、高校44発の片りんを見せた。

ひと冬を越えて目線が上がった。昨年12月、高松商はイチロー氏の指導を受けた。主将の浅野はキャッチボール相手。聞いた言葉が胸に宿る。「常に全力の中で形をつくる。疲れた時も全力で振って形をつくる」。持ち前のフルスイングに磨きをかけた。

「今までは疲れて、すぐ手を抜いてやっていた。イチローさんと出会ってから、疲れてもしっかり振るようになりました」

前日22日。長尾健司監督(52)もこのイチロー氏の気構えを選手に伝えた。「県大会は当てにいっていた。全力で振って芯に当てようと。そういう意識が今日はあった」。10安打7得点で8回コールド。金言を体現した。プロ志望の浅野は走攻守そろった選手を目指す。イチロー氏にレーザービームのコツも聞いた。「チャージを怖がらず全力でする」。攻める姿勢が、171センチと小柄な浅野の武器だ。2年連続の夏の甲子園へ。あふれ出る「イチ流」が際立った。【酒井俊作】

◆浅野翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日、高松市生まれ。屋島小3年から野球を始めた。屋島中では捕手としてプレーし、U15日本代表。高松商では1年夏の独自大会からベンチ入りし、通算44本塁打。好きな選手はアストロズ・アルトゥーベ。50メートル5秒9、遠投110メートル。171センチ、84キロ。右投げ両打ち。