【栃木】文星芸大付2度の不運「コロナになり練習できる喜びを知った」15年ぶり夏甲子園目指す

文星芸大付・吉田翔主将(撮影・星夏穂)

文星芸大付(栃木)が「情勝」の魂で、コロナ禍にも屈せず最後の夏に挑む。

チームは今年だけで2度も不運に襲われた。新型コロナウイルスの集団感染だ。最初は2月、部員30人が感染し、大事な体力トレーニングの時期に中断を余儀なくされた。約2週間の中断期間を経て3月から練習を再開し、急ピッチの調整で春県大会に臨んだがベスト8止まり。地元開催で上位3校まで進めた関東大会切符を逃した。練習不足は否めなかった反省から、追い込み時期と意気込んで再スタートを切った矢先の5月中旬、またも部内に集団感染が発生。6月上旬にようやく全体練習が再開されたばかりだ。

チームスローガンは「情勝」。初めは「常勝」だったが、高根沢力監督(48)から「試合に勝っていくためには、まず自分の気持ちに打ち勝つことが大事だ」とメンタルの重要性を説かれ、決まった。情けの心で勝つ-。「情勝軍団」を襲った試練にも、心は折れなかった。

吉田翔主将(3年)は「コロナになり練習できる喜びを知った。1つ1つの練習に全力で取り組んでチーム全員の自信をつけていきたい」と前を向く。浦和学院や帝京などの強豪校とも練習試合を重ねているが、まだ選手の動きは硬い。吉田主将も「全員が同じ方向に向いていない」と厳しい言葉を口にする。それでも「勝ちたい。ではなく、勝つんだ。という気持ちで臨みたい」と、15年ぶりの夏甲子園を意気込んだ。【星夏穂】