【西東京】18日抽選会 八王子学園八王子・星野翔太「秋と春の借りを返す」プロ注目右腕が意欲

引き締まった表情を見せる八王子学園八王子・星野(撮影・藤塚大輔)

104回全国高校野球選手権西東京大会(7月9日開幕)の組み合わせ抽選会が18日、都内で行われる。西東京はセンバツ4強の国学院久我山を筆頭に、昨夏王者の東海大菅生、夏2度の日本一の日大三など、強豪校がひしめく激戦区だ。

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夏を占う抽選会へ、八王子学園八王子は、最速148キロ右腕の星野翔太投手(3年)が向かう。チーム1の強運のエースが、16年の初出場以来2度目の甲子園への切符をつかみ取る。

昨夏、チームは5回戦で敗れた。背番号「11」の星野は140キロ超の直球を武器に、3試合8回2/3を無失点。ケガで万全ではなかった羽田慎之介投手(西武ドラフト4位)の穴を埋める活躍を見せたが、甲子園には届かなかった。「僕は悔しくて泣いちゃったんですけど、羽田さんはそっと慰めてくれました」。涙を見せなかった羽田の姿を、はっきりと覚えている。

自分たちこそは甲子園へ-。思いは強まったが、結果が伴わなかった。背番号「1」を背負った昨秋の都大会は、全試合にリリーフ登板。3回戦の日大三戦も5回途中からマウンドに上がったが、自らの四球をきっかけに投手陣が失点を重ね、0-7で大敗。春は初戦の先発を任されたが、2回途中4失点で、チームも敗れた。「全く制球できなかった」。プロのスカウトも見守った試合で、剛腕は影を潜めた。

雪辱に燃える最後の夏。安藤徳明監督(60)の提案もあり、3年生で最もくじ運が強い1人に、運命の抽選を託すことになった。抽選会の5日前、ドラフト会議さながらのくじ引き大会を開催。当選印の用紙が入った封筒を引き当てたのは、星野だった。

確率23分の1。「ここで運を使ってしまっていないかな」と神妙そうな表情を浮かべていたが、夏への決意は固い。

「遅い球はより遅く、速い球はより速くして、打者を打ち取りたい。秋と春の借りを返すために、ここまでやってきた」

春の敗戦後は90キロ台の緩いカーブにも磨きをかけてきた。3年生23人の思いを背負い、運と実力を蓄えたエースが、6年ぶりの甲子園を呼び込む。

◆星野翔太(ほしの・しょうた) 2005年(平17)1月30日生まれ。東京都出身。小1から上砂ファイターズで野球を始め、中学は軟式野球クラブチームの立川BBCに在籍。好きなプロ野球選手はオリックス山岡泰輔投手。遠投100メートル。身長184センチ、体重82キロ。右投げ右打ち。