来春閉校、伊達緑丘最後の球児・中村関汰の夏終わる 伊達開来の“同期”8人に感謝/南北海道

鵡川対伊達開来・伊達緑丘 試合後、仲間に囲まれる伊達緑丘の中村(前列中央)(撮影・永野高輔)

<高校野球南北海道大会:鵡川8-0伊達開来・伊達緑丘>◇27日◇室蘭地区Cブロック1回戦◇とましんスタジアム

伊達緑丘最後の球児、中村関汰遊撃手(3年)が夏を終えた。

6回無死一塁、50メートル6秒2の快足を生かし三前に絶妙なバント安打。「4点差だったので自分も生きなきゃと」。6回2死二塁のピンチで登板すると、2ボールからの3球目が暴投となり二塁走者に本塁を突かれたが、自らカバーし、ぎりぎりタッチアウト。好プレーだけではなかったが、試合後は胸を張り、スタンドにあいさつした。

最後のミーティングで、吉田和弘監督(60)に言葉を求められると、こらえていたものがあふれ出た。「格好悪い負け方。泣きたくなかった。でも開来の仲間のおかげで試合に出られたと思うと、耐えられなかった。もう少し一緒にやりたかった」。連合を組んだ開来の“同期”8人への感謝の思いが、込み上げた。

来春閉校するため一昨年春を最後に募集停止。昨夏3年生8人が引退し1人になった。秋以降は統合される伊達開来と連合参戦も、冬場の練習はコロナ禍の影響で一緒に行えず原則、吉田監督と2人でやってきた。「先生には本当にお世話になりました」。4月から同監督と伊達開来まで移動し、合同練習。前日には開来のメンバーと一緒に丸刈りにして試合に臨んだ。緑丘の名前は消えるが「これからは開来を母校と思い応援したい」。かけがえのない思い出が、残った。【永野高輔】