継続試合でドラマは生まれるか…昨夏決勝カード松商学園対長野日大は6回表2-6から再開/長野

長野大会初の継続試合が決まり松商学園のエース栗原(中央)は水たまりができたグラウンドを横目にベンチを移動する

<高校野球長野大会:松商学園2-6長野日大(5回終了)>◇12日◇2回戦◇県営上田野球場

継続試合からドラマが生まれるか-。長野県大会で松商学園対長野日大と昨夏決勝カードが実現。前年覇者の松商学園が5回終了時まで2-6とリードを許す展開も、雷雨により継続試合に。夏の大会では今年から導入(大阪など一部では採用せず)された制度で勝負は13日に持ち越された。

1100人の観衆が集まった今大会注目の好カードは序盤から波乱含みだった。午前9時の試合開始が雨により大幅に遅れ、11時57分にプレーボール。初回、松商学園が1点を先制したが、雪辱を期す長野日大に先発左腕大塚舜生(2年)が攻められ、2点を奪われた。2番手斎藤新太(2年)をマウンドに送るが、今度は飛球を捕球する際に三塁手石田憲成(3年)と激突し、負傷交代した。

予想外の展開に足立修監督(58)は、中盤まで温存したかったエース左腕栗原英豊(3年)を投入するも、結局は初回4失点。計算が狂い、5回まで4点をリードされた。スタミナに不安がある栗原の消耗具合からも、さらに追い込まれた。足立監督の今夏限りでの退任が学校側から発表されており、短い夏の終わりの予感が漂った。

だが空が一変した。整備が終わり、長野日大ナインがグラウンドに飛び出す間際、激しい雨が降り出す。落雷もとどろいた。午後2時10分に中断。水たまりができ、長野高野連が3時7分に継続試合を決定した。今までの慣例ならば7回終了が試合成立条件。滝沢裕紀専務理事(61)は「これまでのルールなら、今日の試合はノーゲームでした」と言った。

文字通り、再開となる。長野日大は4点リードのまま6回表の守備からスタートできる。一方、松商学園はこれまでならノーゲームで仕切り直しだったものが、残り4イニングの攻撃にかけることになった。

“試合中”で取材対応もなく、選手の心中は分からない。ただ言えるのは、どちらに有利か不利かという見方では測れない。点差によるコールドを除き、決着を最後までつける。高校野球は、シンプルな鉄則を貫く時代に入った。【井上真】

○…継続試合の再開には大原則がある。中断された時の試合状況(得点経過、イニング、走者の有無、アウトカウント、ボールカウント)と、中断時の出場選手、この2項目は再現しなければならない。先発投手の交代や、野手が代打を送られてベンチに下がった場合は、再開時点でのメンバー表の控え選手欄に名前を記入し、かつ名前に2重線を引く。出場できないことを明確にするためだ。

一方、中断時の状況から変更が容認されるものとして球場、審判、責任教師がある。グラウンド不良などの状況に応じ球場が変更されることや、仕事をしながら審判を務めている審判員への配慮がある。同様に責任教師の変更も認められている。

松商学園-長野日大は6回表からで区切りはいいが、松商学園は投手交代が続いており、このチェックを複数の目で行う必要がある。