浦和学院・宮城誇南「最高の夏だった」センバツ準決勝登板せず夏見据えるも1歩届かず/埼玉

聖望学園の攻撃を無失点に抑え雄たけびを上げる浦和学院先発の宮城(撮影・垰建太)

<BIG LOSER~敗者にもドラマ~>

<高校野球埼玉大会:聖望学園1-0浦和学院>◇26日◇決勝◇大宮公園野球場

浦和学院の宮城誇南(こなん)投手(3年)は、2年間背負ったエースナンバーに別れを告げた。真っ赤な目だったが、表情は明るかった。「この仲間と最後まで野球をすることができた。悔いはあるけど、最高の夏でした」。

雨が降り続く難しいコンディションも、粘った。3者凡退は7回の1イニングだけ。先制を許した直後の3回1死二塁からは、聖望学園の4、5番を連続三振。エースの気迫を感じさせた。9回を被安打8の12奪三振。「去年の夏は先輩に連れて行ってもらった。今年は、どうにか連れていきたかったけど、あと1歩届かなかったです」。森大監督(31)は「宮城は今大会で1番の投球をしてくれた。最後に、野球の女神が向こうにほほ笑んだ。選手は責められません」とたたえた。

今春センバツでは、開幕戦の大分舞鶴戦で完封するなど4強入りの立役者となった。しかし準決勝の近江戦には登板せず、チームは敗退。10日間の3試合で305球を投げており、夏を見越しての森監督の判断だった。その思いに応え、制球力を磨いて臨んだ今大会。決勝で154球を投げ抜いた。今後は、大学に進学する予定。最高の夏の思い出を胸に、進んでいく。【保坂恭子】