帝京大可児・鈴木孝介103球力投もサヨナラ被弾「後輩は甲子園出場の夢かなえてほしい」/岐阜

第104回全国高校野球選手権岐阜県大会決勝 県立岐阜商業対帝京大可児 11回裏県立岐阜商業無死、右越えサヨナラ本塁打を放ち井上悠にサヨナラ本塁打を打たれた帝京大可児・鈴木孝介(右)(撮影・森本幸一)

<高校野球岐阜大会:県岐阜商7×-6帝京大可児(延長11回)>◇決勝◇長良川球場

甲子園初出場を狙った帝京大可児は県岐阜商と対戦。最速144キロ右腕、鈴木孝介投手(3年)が粘り強く投げぬいたが、延長戦の末敗れた。

最大のピンチは9回。2死三塁と一打サヨナラの場面で県岐阜商の4番伊藤颯希(そうき)主将(3年)を打席に迎えた。伊藤はこの日既に3打点。一塁は空いていた。「4番を抑えられれば流れを引き寄せられる。自分が勝負したいと言った。安積(杏汰捕手、3年)も当ててもいいから厳しくと(言ってくれた)」。ベンチからは敬遠の指示も飛んでいたというが、バッテリーは勝負を選択した。結果は全球インコース真っすぐで3球三振。帝京大可児の応援席が湧きかえった。

しかし延長戦に突入した11回。初球だった。「真ん中のカットボール。カウントを取りにいく球で勝負球ではなかった」。痛打された白球は右ポールに直撃し、サヨナラ本塁打となった。

甲子園初出場を目前に涙をのんだ。103球8奪三振と力投したエースは、「チームメートは特別な存在。ずっと甲子園に行こうと話していた。後輩には甲子園出場の夢をかなえてほしい」と後輩に思いを託した。【清水駿斗】