<全国高校野球選手権:大阪桐蔭19-0聖望学園>◇14日◇2回戦
秋春夏3連覇を目指す大阪桐蔭が歴史的大勝で夏40勝を飾った。聖望学園(埼玉)との2回戦で、ともに同校の夏甲子園最多となる25安打19得点を刻んだ。プロ注目の松尾汐恩(しおん)捕手(3年)は、2打席連続本塁打を含む4安打5打点。史上10人目の甲子園通算5本塁打に到達した。昨秋明治神宮大会、3月のセンバツ優勝校が本気モードに入ってきた。
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プロ注目の「打てる捕手」の、面目躍如だ。大阪桐蔭の松尾汐恩(しおん、3年)が2打席連続本塁打で、史上10人目の甲子園通算5本塁打。大阪桐蔭でも中日平田、西武森、ロッテ藤原と並ぶ最多タイを記録した。
15-0の8回、直球を捉えて左翼スタンドへ。9回は、1死二塁からチェンジアップを左翼スタンドに運び、夏の同校史上最多となる19得点を生み出した。「1本目は狙い球を真っすぐに絞って、しっかりバットを出すことを意識しました。2本目は(フルカウントと)追い込まれていたので、どんな球でも対応しようと。内角低めのチェンジアップを外野まで運べてよかったです」と、技術で打った2本。プロで活躍する先輩打者に並び「実感はないけど、結果はとてもうれしいです」と顔をほころばせた。守っても聖望学園に二塁すら踏ませない投手陣の好投を引き出し、8回から三塁に回った。
センバツ決勝・近江(滋賀)戦は、2-0の3回に2ランで相手エース山田陽翔(はると、3年)を降板に追い込んだ。事実上試合を決めた1発でチームを優勝にけん引したが「ミート力が足りない。もっと確率を上げたい」と向上心を明かしていた。今夏は大阪大会3本塁打、打率3割3分を残し、甲子園初戦は3安打2打点、この日は4安打5打点。大舞台で7割7分8厘と異次元の打率をたたき出す。長打力にミート力も兼ね備え、自身2度目の頂点を狙う。【堀まどか】
<甲子園春夏通算5発以上の打者>
※春・夏は年と本数。守備位置は主なもの(桑田は外野手で2本、松尾は三塁手で1本)
◆清原和博
右、内(PL学園)
春84(3)85(1)
夏83(1)84(3)85(5)
◆桑田真澄
右、投(PL学園)
春84(2)
夏83(2)84(1)85(1)
◆元木大介
右、内(上宮)
春88(1)89(3)
夏89(2)
◆中村奨成
右、捕(広陵)
春 出場なし
夏17(6)
◆香川伸行
右、捕(浪商)
春79(2)
夏79(3)
◆鵜久森淳志
右、外(済美)
春04(2)
夏04(3)
◆平田良介
右、外(大阪桐蔭)
春04(1)
夏05(4)
◆森友哉
左、捕(大阪桐蔭)
春12(1)
夏12(2)13(2)
◆藤原恭大
左、外(大阪桐蔭)
春17(2)
夏18(3)
◆松尾汐恩
右、捕(大阪桐蔭)
春22(2)
夏21(1)22(2)
<松尾の主な記録>
▼個人連続打席本塁打2 今大会、高松商・浅野が佐久長聖戦で記録して以来41人目43度目。
▼通算5本塁打 甲子園通算5本塁打は史上10人目。大阪桐蔭の選手では平田良介、森友哉、藤原恭大に並ぶ最多。
▼3季連発 21年夏1本、22年春2本に次いで本塁打。甲子園で3季連続本塁打は17年植田拓(盛岡大付)以来7人目。83~85年に清原和博(PL学園)が5季連続。
◆松尾汐恩(まつお・しおん)2004年(平16)7月6日、京都・精華町生まれ。川西小1年から野球を始める。精華中では京田辺ボーイズに所属し、3年夏にボーイズ日本代表選出。大阪桐蔭では内野手から捕手に転向した1年秋からベンチ入り。2年春から4季連続甲子園出場。昨秋の明治神宮大会決勝・広陵(広島)戦で2本塁打。50メートル6秒1。二塁送球は1秒87。178センチ、76キロ。右投げ右打ち。