屈辱の敗北からはい上がる。第75回秋季全道高校野球札幌地区予選の組み合わせが24日、決まった。昨春夏連続甲子園出場の北海は、初戦で札幌啓北商と対戦する。連覇を目指した今夏は、南北海道大会準々決勝で、優勝した札幌大谷に0-19と大差で敗戦。同高の夏の地区予選ワースト失点を喫した。4回2/3、17安打14失点と辛酸をなめたエース熊谷陽輝(2年)を軸に立て直し、2年ぶりの秋全道タイトルをつかみにいく。
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悪夢の敗戦を無駄にはしない。秋の初戦に向けエース熊谷は「自分のせいで3年生の夏を終わらせてしまった。秋は絶対優勝して甲子園に行く。先輩にも約束した」と気を引き締めた。
7月20日、札幌大谷との準々決勝に先発した熊谷は、初回1死二塁から3連打を浴び2失点。1回持たず1/3回3安打2失点降板も、悲劇は終わらなかった。3回1死一、三塁のピンチで再登板。「また投げる機会をもらえて“エースとして投げきれ”ということなんだと思った。でもそれができなかった。本当に悔しかった」。7回途中、14安打12失点で再降板。自身がマウンドを降りた後も失点は止まらず、この回だけで10点を奪われ、ぼろぼろになって、夏が終わった。
自分たちを圧倒し甲子園に出場した札幌大谷の二松学舎大付(東東京)戦は、終盤の攻防をネット配信で見た。「最後に追いついたところを見て執念を感じた。それでも勝てなかった。自分たちはそのチームに0-19で負けた。力のなさを痛感した」と振り返った。
新チームになり井尻琉斗前主将(3年)から諭された。「一番経験しているお前が変わらないとチームは変わらない」。唯一、昨夏の甲子園を知る身として「まず気持ちの面から」と練習前に目をつぶり、札幌大谷戦の記憶を思い起こし、悔しさを忘れないよう意識してきた。技術面は米大リーグのレッドソックス沢村の動画を参考に、スプリットの握り方を微調整。少し浅く握ることで「変化は減るが課題だった制球が上がった」。自分に今何ができるか必死で考え、取り組んできた。
やまない雨はない。15年夏の甲子園は初戦で鹿児島実に4-18と大敗も、翌年夏は準優勝。平川敦監督(51)は「こういうことをきっかけにできたら。ゼロというよりマイナスからのスタートですが、ここでしっかりやらないと」。ずぶぬれになったエース熊谷を中心に、もう1度、輝きを取り戻す。【永野高輔】