【田村藤夫】日本が台湾に大敗 四球とエラーで自滅 守りの徹底、食らい付く打撃を/U18W杯

高校日本代表の香西一希(2022年8月31日)

<U18W杯:日本2-9台湾>◇13日(日本時間14日)◇1次ラウンド◇米フロリダ州エド・スミス・スタジアム

1次ラウンド最終戦は台湾に大敗した。日刊スポーツ評論家の田村藤夫氏(62)は、台湾の投手力と粘り強い打線に圧倒され、日本代表は四球とエラーで自滅したと指摘した。

これまでの対戦国とは違い、一気にレベルが上がった。まず、台湾の先発右腕のボールが素晴らしかった。最速148キロ。それもベース板で速く感じる、球質のいい真っすぐを投げていた。ちょうど、8月末に大学日本代表と壮行試合をした時を連想させる。これだけのボールを投げられては、今の日本代表では打ち崩すのは難しいと感じた。

一方、相手打線に目を向けると、どのバッターもしつこかった。追い込まれてから低めの変化球をカットして四球を選んだり、甘く入ったボールを仕留めてヒットにしたりと、レベルが高い。大振りするバッターはいなかった。

7イニングで空振り三振は0。ちなみに見逃し三振は2個あるが、いずれもボールとジャッジされてもおかしくない、際どいボールだった。むしろ、台湾の打者がしっかりボール球を見極めようという姿勢の表れとも私には見えた。

極めつけは、空振りの数の少なさだろう。7回で空振りしたのはわずか4回。それも特定打者に偏らず、4打者が1回ずつ空振りしただけ。追い込まれての空振りはなく、すべて早いカウントでの空振りだった。日本投手陣を良く研究している跡がうかがえ、そしてチーム方針としてコンパクトにスイングすることが徹底されている。

日本代表は四球でピンチを招き、そこにエラーが絡む悪循環だった。これまで対戦チームがやって自滅していたことを、この試合では日本がやってしまった。そんな印象だ。

確かに制球が身上の香西一希投手(九州国際大付)にとっては、自信を持って投げきったコースがボールに判定されたシーンが何度かあったが、それは台湾の投手も同じ条件。その状況でも何とか粘ってほしかった。

浅野翔吾外野手(高松商)が3回の守備で左翼への当たりにダイビングキャッチを試み、グラブの土手に当てて捕球できなかった。その際、左手を少しひねったように見えた。直後の打席は見逃し三振。さらに、5回の守備ではスライディングキャッチ時、打球が左膝付近に当たり、打球が大きく跳ねた。その後、途中交代している。負けている中で浅野が交代するのは、アクシデントの可能性がある。そこが非常に気がかりだ。

1次ラウンドは4勝1敗の成績で、スーパーラウンドに進む。台湾戦ではっきりしたように、ここまでの対戦国から一気にレベルが上がった。投打にわたって厳しい戦いが予想される。だが、レベルの高いチームとギリギリの試合をしてこそ、国際大会に出場してきた意味がある。台湾には完敗したが、ここでもう1度、守りの徹底、各打者も台湾のように必死に食らい付くバッティングを見せて、強豪チームに挑んでほしい。(日刊スポーツ評論家)