イチロー氏「自分の形、呼吸、間合いをつくることが大事」高校球児に打撃の秘訣を伝授

静岡県富士市・県立富士高校野球指導 部員に打撃を披露するイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)(代表撮影)

日米通算4637安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が4日、先月の都新宿に続く今年2校目となる富士(静岡)で、2日続けて野球部員を指導した。

初日の3日、フリー打撃の最中に、ある選手が「チャンスで打てる秘訣(ひけつ)は?」と質問した。イチロー氏は「魔法みたいなことはない。自分が結果を出して自信をつかむ。それしかないけど、打席に入るまでの自分の動き、自分のリズムをつくって、打席に入れるかが大事。自分の形、呼吸、間合いをつくることが大事。打席に入る前から(同じ)リズムで入って、それが重要」と答えた。

また別の生徒からは、左打者が内角球を左翼に打ち返す方法を問われ「体を回すと難しい。下(下半身)でコントロールをすると上半身も使える。体は振らない。上半身は振らない」とアドバイスした。

トス打撃では実際に105スイングほどの実演も見せた。「全部、下(半身)で(力を)伝えている。腕を回すとか体を回す意識は全くないと言っていい。全くない」、「股関節の動きが特徴的。股関節がピッチャーに入っていく動き。(打ちに行く時に)頭の位置、手の位置は全く動かないと思う」。途中スイングをやめ、生徒の方を向いて助言した。

2日目のこの日は、フリー打撃を披露し、9本の柵越え(右翼の簡易ネットまで約95メートル)。生徒からは「うわ~」、「お~」など感嘆の声が上がった。イチロー氏は「今日、僕は調子が悪いんだけど、巻き戻したら見えてくることがある。チェックポイントを持っておくように」と話していた。