春快進撃の立役者、金光大阪のキャリーは決勝で登板せず「サポートに回った」 伝令や代打で登場

智弁学園対金光大阪 9回表無死、金光大阪のキャリー・パトリック・波也斗投手(3年=背番号1)は代打で中飛に倒れる(撮影・林亮佑)

<高校野球春季近畿大会:智弁学園10-0金光大阪>◇4日◇決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

創部以来初の春の近畿大会決勝に進んだ金光大阪は智弁学園(奈良)の前に屈して、準優勝だった。

3試合連続完投中だったキャリー・パトリック・波也斗投手(3年)は登板せず。「投げたい気持ちはあったけど、今日はサポートに回った。(登板した)12人は経験がなかったので、声をかけようと思った」と伝令としてマウンドに向かう姿もあった。

9回には代打で登場。中飛に倒れたが、スタンドからはこの日一番の声援が注がれた。横井一裕監督(48)も「キャリーが打席に立った時のスタンドの空気が、キャリーに対するチームメートの評価」と周囲からの信頼もより一層厚みを増した。

大阪府予選の決勝でも大阪桐蔭を倒す立役者となり、春の近畿大会でも初の準優勝に導いた。それでも浮かれることはない。左腕は「本番は夏。夏になるともう一段階、体力や精神面が削られると思う。その中で、みんながどれだけ一丸で迎えられるか」と足元を見つめた。