<高校野球栃木大会:組み合わせ抽選会>◇21日◇栃木県総合教育センター
”理論派左腕”のエース藤巻翔太投手(3年)が、チームを再び甲子園へと導く。直球の最速は129キロながら、「変化球が長所」とカーブや2種類のスライダーなど多彩な球種を操り打者を手玉に取る。センバツ2回戦の能代松陽(秋田)戦では、1点ビハインドの8回無死一、二塁で登板。味方の失策などで追加点を許したが、相手の4番から三振を奪うなど1回1安打無失点と好投した。
昨秋までは制球に苦しんでいた。「1イニングで5個四球を出すこともあった」。だが抜群の制球力を誇った元中日エースの吉見一起投手が、自身のYouTubeチャンネルで紹介する練習法が転機となった。ボールを下手からトスして1~2メートル先に置いたカゴに投げ入れ、ストライクゾーンの「奥行き」を身につけるというもの。「試合ごとに高さが違うマウンドで制球ができない理由を考えた時に、ゾーンの奥行きを理解できていないのではないかと感じた。理論的に納得できた」。冬は毎日100球以上を日課にした。春を迎え「大崩れしなくなった」と四死球が激減した。
センバツ後、春の県大会では全4試合に先発し、4強に導いた。シード校として臨む夏の初戦は、足利ー矢板中央の勝者と対戦する。「結果を出さないといけない立場。夏は実力で甲子園」と意気込む。常に冷静に考え続ける藤巻には、栃木で一番長い夏を過ごすための理論が分かっている。【黒須亮】