八王子学園八王子、移動中の車内でもメンタルトレーニング 徹底力で頂点つかむ/西東京

守備の練習に励む八王子学園八王子の野球部員(撮影・玉利朱音)

移動中の車内から、「甲子園への道」は続いている。

16年夏の甲子園に初出場した八王子学園八王子(西東京)の野球部練習場は、校舎から約9キロの場所にある。部員たちは授業後に専用バスで20分程かけて通う。移動中の車内では「メンタルビジョントレーニング」のビデオが流れる。同校アスリートコースの講師が野球部のために作成したプログラムで、動体視力の向上や脳の活性化が目的。その他にスポーツ選手のドキュメンタリー映像や、練習試合の映像が流れることもある。安藤徳明監督(61)は「移動時間を無駄にしないようにと。飽きがこないように、いろいろ工夫しながら映像を流しています」と意図を語る。

7年ぶりに西東京大会の頂点を狙うチームは、春の都大会3回戦でセンバツ出場の二松学舎大付(東東京)を5-3で下し、夏のシード権を獲得した。突出した能力を持つ選手はいないが、堅い守備でリズムを作り、内野安打などで食らいついて勝利をつかんだ。指揮官は「甲子園に行った代も、秋は初戦敗退して決して強くなかった。選手に合わせた戦い方をすれば、いくらでもチャンスはある」。

シード発進のため、初戦は3回戦から(7月14日、スリーボンドスタジアム八王子)。1回戦から登場の日大鶴ケ丘といきなり初戦で顔を合わせる可能性がある。昨夏の西東京大会で8強入りした難敵だ。指揮官は「西東京で優勝して、甲子園で1勝して、あそこで校歌を歌うことが目標」と目標は高い。16年は1回戦で日南学園(宮崎)に1-7で完敗。新しい歴史をつくるべく闘志を燃やす。抜群のチーム力と工夫したトレーニングの成果を発揮し、頂点へ上り詰める。【玉利朱音】