4大会連続の甲子園を狙う日本文理(新潟)は長い夏を乗り切るための投手陣が整った。背番号3をつけた左腕・北沢天琉投手(3年)が満を持して出番を待つ。投手デビューは今春で、3試合6回1/3を投げて3安打1失点で7三振を奪った。ナチュラルに変化する直球が武器。9日の初戦2回戦の相手は三条商-小出の勝者。直球の最速151キロの右腕エース高橋史佳投手(3年)と両輪で頂点を目指す。
投手の北沢は、相手打者にとって厄介な存在だ。最速136キロの直球はスピードを殺さず打者の手元で小さく変化。本人は意識して投げていないが、カットボールのように曲がる直球は強力な武器になる。「“真っスラ”気味になる。内角に投げると相手バットは詰まる」。スライダーは縦に落ち、高低差で打者の目線をズラすのも持ち味。見附南中でバッテリーを組んだ背番号12の渡辺海璃捕手(3年)は「腕を振って投げてくる独特の直球は空振りを取れる」と微妙に変化する直球に太鼓判を押した。
鈴木崇監督(42)は「北沢が先発ならゲームを作ってもらいたい。(エース)高橋が先発したら、後を任せる。6試合(2回戦~決勝)中にそんな展開が多くなれば勝利に近づく」と言う。投手として公式戦デビューした今春県大会は走者を許すと焦り、投球を乱す場面があった。しかし、大会後の練習試合で弱点を解消。「打たれても冷静に次を考えられるようになった」。テンポを変え、間合いを取り、落ち着いて次打者に対する術を身につけた。
1年秋の新潟県大会に背番号13の野手として初のベンチ入り。同北信越大会では1桁の3番をつけたが、以後は今春まで登録から外れた。1年冬には左手小指を骨折したが、故障を逆手に取って体力の底上げ。完治するまで連日、約1時間の走り込みと右翼から左翼のポール間ダッシュを繰り返した。中学時代まで取り組んできた投手の練習を本格的に再開したのは2年秋だった。制球難に苦しんできたが、夏に向けて克服。「どんな場面でも切り抜けられる投手になりたい」。北沢は準備は整った。【涌井幹雄】
◆北沢天琉(きたざわ・てんりゅう)2006年(平18)2月12日生まれ、新潟・見附市出身。野球は上北谷小1年から上北谷ファイターズで始める。小学時代から投手一筋。見附南中は軟式。180センチ、80キロ。左投げ左打ち。血液型O。
○…日本文理のゲームを動かすのは昨年の甲子園経験者の1人、1番打者の平田来輝遊撃手(3年)だ。「1番打者としていい流れになるような打撃を心がけている」。春の実績は5試合19打数7安打の打率3割6分8厘。準々決勝と決勝は無安打で「悔しい思いをした」だけに自身に課した夏の数字は高い。「夏は打率5割以上。出塁率8割」。高いハードル超えを狙う平田は50メートル走6秒0の足も生かす。