大会1カ月前から急造投手に、高砂南は捕手白石翼主将が救援で決勝点与え無念の敗退/兵庫

東播工対高砂南 高砂南の白石翼捕手(3年)が2番手でマウンドに上がる(撮影・林亮佑)=2023年7月2日、高砂市野球場

<高校野球兵庫大会:東播工5-4高砂南>◇2日◇1回戦◇高砂市野球場

1点を追う9回2死一塁。打席に主将で4番の白石翼捕手(3年)が入った。フルスイングも実らず、飛球が右翼手のグラブにおさまると天を仰いだ。「期待に応えられなかった。後ろにつなごうと思っていたが、自分の力が足りなかった」。試合後、涙があふれた。

「4番捕手」として先発出場。6回からは2番手で背番号2の白石がマウンドに上がった。大会前にエースが不調に陥り、投手陣強化のために捕手で主将の白石に白羽の矢が立った。野球を始めた小学3年から捕手一筋。6月に投手としての練習を始めたばかりで、約1カ月での急造投手だった。

4-4の展開で公式戦初マウンドへ。先頭に出塁を許すと、その後勝ち越し点を献上。結果的にこの1点が決勝点となった。「まずは0点でしのいで味方の反撃を待とうと思った。キャッチャーをしていたら先頭を取ったり、ストライク先行が大事というのは痛感している。先頭を大事にいきすぎた」と悔やんだ。それでもすぐに気持ちを入れ替えた。「1点を取られたあとにスタンドから声をかけてもらって力になった」と声援を力をもらい、ゼロを並べた。

その後も粘りの投球を続けたが、追いつくことはできず。白石が最後の打者となった。「ピッチャーで出て失点してしまって、バッティングでも無安打に終わった。チームが負けたのは4番の責任だと思う。4-4で粘っている中で、先に1点をやってしまった。後悔が多い内容だった」と目を赤くした。

試合に敗れたが、投手として最後の夏に登板できたことは誇りだ。「ピッチャーが投げないと試合は始まらない。試合の7、8割を担うポジションとわかっているので、キャッチャーをやっているからこそピッチャーをやりたい思いは昔からずっとあった。最後の夏に投げられてうれしかった」。主将に4番、扇の要、緊迫した場面での救援登板。大忙しだった最後の夏、涙のあとに充実感が胸にあふれた。【林亮佑】