早稲田・村上雅嘉、高校最後の打席で高校初本塁打「苦しい時も周りが鼓舞してくれた」/東東京

早稲田対錦城学園 9回表早稲田2死走者なし、左中間へソロ本塁打を放ち生還する村上雅(撮影・古川真弥)

<君がらんまん~ある敗者の物語~>

<高校野球東東京大会:錦城学園6-2早稲田>◇9日◇2回戦◇神宮

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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感情を爆発させながら、早稲田(東東京)・村上雅嘉主将(3年)はホームベースを踏み締めた。1-6の9回2死走者なし。もう後がない状況で「何としても塁に出よう」とバットを短く持った。錦城学園・前山の初球真っすぐを振り抜く。「詰まった。レフトフライかな」。全力で走り、二塁を回ったところで三塁コーチがぐるぐる腕を回すのが目に飛び込んできた。左中間スタンドへ、練習試合も含めて高校初本塁打をたたき込んだ。

次打者が倒れ、最後の夏は初戦で終わった。「今のチームで、もっとやりたかったな」。ただ、初めて立った神宮で、初めての1発。「自分でも驚いてます」。昨夏、右手親指を骨折。6番だった打順は7番、8番と落ちていった。それでも「負けず嫌いなんです」。マシン打撃で最後の1球がうまくいかないと、もう1球おねだり。チームメートたちは「ありえね~」と突っ込みながらも、必死な姿にアドバイスを送った。そのかいもあって復調を果たし、今夏5番に入った。

集大成の1発だった。「打撃も守備も良くなくて苦しい時期もあったけど、周りの声が鼓舞してくれました。いい経験でした」。硬式野球は高校まで。手に残る感触は次のステージで生きるはずだ。【古川真弥】

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