<高校野球栃木大会:栃木翔南12-3佐野松桜>◇10日◇1回戦◇栃木県総合運動公園野球場
栃木翔南(栃木)の「マイペースの神様」がダンス部の応援を背に大暴れした。2回表、打席には背番号10の青木康晟(こうせい)外野手(3年)。「めっちゃかわいいっす」と絶賛するダンス部の大声援を背に初球を振り抜き、左中間への二塁打。三盗も決め、後続の適時打で3点目のホームイン。黄色い声援を力に、初戦突破に貢献した。
自分の気持ちに素直な神様だ。中学までは野球部だったが「高校野球はキツいから高校ではやらない」と、高校入学後はテニス部に入部した。だがテニスコートの隣で練習する野球部の姿に気持ちが揺れた。「やっぱり野球をやりたいな」。昨年8月、心のままに野球部に“途中”入部した。
昨秋、今春と部員不足で連合チームだったチームは今夏、単独出場を果たした。青木にとって最初で最後の夏…のはずだったが、開幕1カ月前、今度は野球への気持ちに変化が。「野球への気持ちが薄れた」と2週間、練習に参加できなかった。だが仲間からの「また一緒に野球やろうぜ」に心が動いた。中山裕監督(49)に「戻らせて下さい」と直訴。無事、高校球児として夏の始まりを迎えた。
「こんなに応援される舞台にまさか自分が立ってるなんて」。グラウンドからの景色は、格別だった。5打数3安打2盗塁。「野球は楽しい。やってて良かった。次もダンス部の応援が楽しみです」と笑みがはじけた。この夏は、野球に夢中になるつもりだ。【黒須亮】