<高校野球奈良大会:高田13-6青翔、関西中央、二階堂、奈良南>◇2回戦◇16日◇佐藤薬品スタジアム
スタンドからの温かい拍手に涙があふれた。合同チームで挑んだ関西中央の「最後の夏」は初戦敗退に終わった。
関西中央は22年度から生徒募集を停止し、現在3年生5人のみ(マネジャー1人含む)が在籍する。8日の開会式で選手宣誓を務めた主将の杉田悠真外野手(3年)は「最後まで関中(かんちゅう)魂を貫く」と誓っていた。
選手が生徒募集停止を知ったのは入学直後の1年生の5月。後輩が入らない現実を受け止められず、涙したという。だが、岸江秀樹監督(48)は「野球は甲子園だけじゃない。次のステージで頑張れることが一番大事だから」と鼓舞し、上級生が引退後も合同チームで出場を続けた。
合同チームならではの難しさもあった。全員での練習は土日のみで、特に連係プレーの練習ができる時間は限られる。主将の杉田はSNSのグループで日頃から連絡を取るよう心がけ、他校の選手とも仲を深めた。
試合は5安打6得点をあげるも、勝利には届かず。「負けても温かく迎えてくださる人たちがいることは、本当にうれしいこと。感謝の気持ちでいっぱいだった」と、感謝の気持ちを勝利で伝えられなかったことに悔しさをにじませた。だが「どのチームよりも熱い気持ちで試合に臨めた。打ち合いになって『関中(かんちゅう)魂』は全面に出せたと思う。(関西中央の4選手との時間は)何にも代えられない一生の財産です」と最後は胸を張った。恩師と仲間と過ごしたかけがえのない時間を胸に刻み、「関中ナイン」はそれぞれのステージへ歩み始める。【村松万里子】