〈君がらんまん~ある敗者の物語~〉
〈高校野球熊本大会:有明7-0(8回コールド)大津〉◇20日◇準々決勝◇リブワーク藤崎台野球場
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれるわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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部員22人(選手14人)のチーム、大津の躍進は準々決勝で止まった。ここまでの3試合で見せてきた高い攻撃力の打線も沈黙したままで、初回の4失点が響いて8回コールド負け。主将の松岡飛雄馬(ひゅうま)外野手(3年)は強豪相手に死力を尽くし、すがすがしい表情だった。「正直ここまで勝ち進めるとは思ってなかった。この大会は全員で成長できた」と振り返った。
初回に4点を取られて2回表1死で向かえた第1打席。右へヒットを放ち、チームを鼓舞した。「ここまでの3試合中、2試合は逆転勝ちだったし、このチームは人数が少ない分、団結力がある」。2回小川工戦や3回熊本商戦で見せた反撃の起爆剤となるため、チームを信じて先頭に立った。
ここまでも少数だからこそ主将の重責は大きかった。「代わりの選手がいなくて試合展開が厳しくなることもあったし、けがをしないように気を付けないといけなかった」。トレーニングも下半身を中心に鍛えることでけがを減らし、安定したパフォーマンスを生み出した。
また、精神面でも支柱となる必要があった。「部員が抜けたこともあって、そのときは本当につらかった。部員とのコミュニケーションを取って気持ちをつなぐよう努めた」。厳しい環境を限られた人数で切り抜け、団結力を高めていった。【土居恒久】