神村学園が4年ぶり甲子園出場 昨夏悪夢から380日…TB10回5番岩下が劇的V3ラン/鹿児島

神村学園対鹿屋中央 優勝を飾った神村学園ナインはスタンドの応援団に「最高!」のポーズ(撮影・梅根麻紀)

<高校野球鹿児島大会:神村学園8-5鹿屋中央>◇23日◇決勝◇平和リース球場

神村学園がタイブレークの末に劇的なサヨナラ勝ちを収め、4年ぶり6度目の甲子園切符を手にした。

一世一代の一振りだった。5-5の延長10回1死一、二塁。5番岩下吏玖(りく)内野手(2年)が値千金の決勝3ランを放った。フルカウントから内角直球を仕留め、打球は右翼芝生席で弾んだ。「自分が『ヒーローだ』と思った」。何度もこぶしを突き上げ、歓喜する仲間の輪に飛び込んだ。「自分の一打でのゲームセットを経験したことがなかった。今までにないくらいに最高だった」。大一番での自身初のサヨナラアーチに、喜びもひとしおだった。

悪夢のあの日から380日後、夏の頂点に返り咲いた。小田大介監督(40)は勝利の校歌を聞くと、目頭をグッと押さえた。「数年、夏を勝ち切ることができなかった。苦しかったです」。昨夏は「春の九州王者」の肩書もむなしく初戦敗退。鹿児島実に敗れ、あまりにも短い夏だった。「絶対的エース、スター選手がいても夏は勝てない」。厳しさを痛感させられた。

新チーム以降、今岡歩夢(あゆむ)主将(3年)は心を鬼にし「嫌われ役」になった。「試合で勝つために自分が厳しくなろうと思った」。自らも含めチームメートの甘さ、妥協を許したことはない。「そんなんで甲子園に行けるかよ!」を何度言ってきたことか。「昨年の夏のように負けたくなかった。『そこまで言うか』ってくらい仲間には厳しく接した」。なれ合いは捨てた。そんな主将も、優勝後は笑顔に。「自分についてきてくれて『ありがとう』と言いたい。お互いを信頼できた結果です」とリベンジVに、胸を張った。【佐藤究】

◆岩下吏玖(いわした・りく)2006年(平18)12月23日生まれ、鹿児島市出身。小3で野球を始め、中学時代は串木野ドリームズでプレー。神村学園では2年春にベンチ入り。171センチ、71キロ。右投げ左打ち。好きなプロ野球選手はソフトバンク今宮健太。

◆神村学園 1965年(昭40)創立の私立女子校。97年に男女共学となった。普通科に看護学科など特色ある学科を設置している。生徒数は1287人(女子1095人)。野球部は03年創部で部員50人。甲子園出場は春5度、夏は6度目。甲子園の最高成績は05年春に準優勝。主なOBはソフトバンク渡辺陸捕手、楽天泰勝利投手ら。所在地はいちき串木野市下名4460。吉永輝彦校長。

◆Vへの足跡

1回戦3-1川内

2回戦9-0加治木

3回戦7-1松陽

準々決勝9-2出水中央

準決勝11-4鹿児島実

決勝8-5鹿屋中央