明豊、執念逆転で王手「孝成さん。力を貸して下さい」8回高木真心がV打…天を見上げ/大分

大分舞鶴対明豊 8回裏明豊2死三塁、中前に決勝打を放つ明豊・高木(撮影・佐藤究)

<高校野球大分大会:明豊2-1大分舞鶴>◇24日◇準決勝◇別大興産スタジアム

明豊(大分)の1番高木真心(しん)外野手(2年)は勝負の局面でつぶやき、左打席に立った。「孝成さん。力を貸してください」。0-1で迎えた8回に追いつき、なお2死三塁。初球、内角直球を迷いなく振り抜き、中前へ決勝タイムリーを放った。一塁塁上では「ありがとうございます」とぽつり。殊勲のヒーローは天を見上げた。

背負い続ける。亡き仲間の思いを。新チームが始動した昨夏だった。練習試合で当時2年生だった、吉川孝成さんが不慮の事故で亡くなった。スタンドには毎試合、母久美さん(44)が応援に駆けつける。今春に「いろんな方々にお世話になった。孝成が投げていると思ってほしい」とチームに母久美さん、父聖哉さん(41)は打撃マシンを寄贈。ナインは夏本番前はもちろん、今大会期間中も打ち続けてきた。高木は言った。「孝成さんの打撃マシンを打ってきて、この夏、打てないわけがない。誰もがそう思っている」。

「孝成と一緒に甲子園へ行く」。選手の誰もがそう言い続ける。県勢初の大会3連覇もかかる決勝は今春センバツ出場の大分商との顔合わせ。川崎絢平監督(41)は「負けられない理由があります」と力を込め、高木は「絶対に勝ちたい」と意気込んだ。並々ならぬ覚悟を持って、最終決戦に臨む。【佐藤究】