<高校野球和歌山大会:市和歌山5-4和歌山北>◇28日◇決勝◇紀三井寺運動公園野球場
市和歌山が延長11回タイブレークのサヨナラ勝ちで和歌山北を振り切った。同点の1死満塁、熊本和真主将(3年)がスライダーにバットをかぶせて転がした。「抜けてくれ」。打球は狭い三遊間を抜けていった。7年ぶり6度目の夏切符に「自分が決めると思っていました」と大量の汗を何度もぬぐった。
2点差を8回、9回で追いつかれる嫌な展開。だがタイブレークの守備で2度、無失点。守りで好機を引き寄せた。波乱含みの和歌山大会を象徴するような激戦だった。最大のライバル智弁和歌山が初戦で敗退。市和歌山グラウンドの一塁ベンチ内ホワイトボードに書かれた「打倒・智弁和歌山」の文字はすぐに消した。半田真一監督(43)は「絶対に智弁を倒して甲子園に行くとみんなで言っていたので…」と心の揺らぎを心配した。ただ熊本主将は「智弁が負けたことは俺たちには関係ない。目標は変わらない。目の前の敵を倒すぞ」と訴えかけた。
2年前、DeNA小園、ロッテ松川のドラフト1位コンビを擁しても勝てなかった夏の和歌山。熊本は「夢見る舞台で試合ができる。楽しんでやってきたいです」と目を輝かせた。【柏原誠】