仙台育英・田中優飛3試合で自責0 投手王国「守り勝つ野球」掲げるチームで存在感/東北注目選手

力投する仙台育英・田中

第105回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市内で開かれる。

東北6県出場校の注目選手を紹介する「甲子園、この選手に注目!」第3回は、昨夏甲子園優勝の仙台育英・田中優飛投手(3年)。今春センバツ準々決勝、同東北大会決勝の敗戦を経て、夏の宮城大会は3試合で9回5安打1失点(自責0)と好投。全国屈指の「投手王国」で役割を果たし、連覇達成の一翼を担う。

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昨夏、東北勢初優勝を成し遂げ、全国に衝撃を与えた仙台育英。今夏は最速145キロ左腕・田中が「守り勝つ野球」を掲げるチームで存在感を発揮した。宮城大会決勝、仙台城南戦では13点リードの8回に3番手で登板。わずか14球で3者凡退に抑え、4投手による無失点リレーを達成。2年連続30度目の甲子園出場に貢献した。「チームとして甲子園に戻ることを頭に入れてやっていた。甲子園に優勝旗を返しに行けることが大きい」と笑顔を見せた。

持ち味は「ゲームメーク能力。流れよくアウトが取れる」と胸を張る。先発した3回戦、富谷戦は22球で3回無安打無失点。チームは1回に先制すると、3、4回の11得点で5回コールド勝ち。先制のホームを踏んだ山田脩也主将(3年)は「先発の田中が初回から良いリズムで抑えてくれた。初回からいい攻撃ができた」。須江航監督(40)も「春も東北大会も最後に悔しい思いをしたが、田中はもうひとつ落ち着きが違う。必然の結果」と評価した。

悔しさを晴らす舞台にする。センバツ準々決勝、報徳学園(兵庫)戦。田中は8回から4番手で登板。度胸満点のピッチングを見せたが、1点リードの延長10回タイブレークで逆転負け。悔しい思いをしたがその分、冷静さを身につけた。

「『抑えてやる』といった(気持ち)は特別なく、与えられたところで自分の特徴を出して抑える。後ろにもいいピッチャーがいるので後先考えず、任されたイニングを全力でいければ」

宮城大会は田中ら5投手が登板し、5試合39イニングで2失点(自責1)。先制は1度も許さず、防御率0・23と圧倒した。「攻撃陣に頼らず、自分たちが抑えれば勝てるチームなので、最少失点で逃げ切るのが一番」。頼れるチームメートと一戦必勝で勝ち進み、悔し涙の思い出を、うれし涙に上書きする。【相沢孔志】