<全国高校野球選手権:仙台育英19-9浦和学院>◇6日◇1回戦◇甲子園
昨夏王者の強さは投手力だけじゃない! 仙台育英(宮城)が、先発全員の19安打19得点で浦和学院(埼玉)に快勝。初回に4点を先制すると、3回には尾形樹人捕手、湯田統真投手(ともに3年)の2者連続本塁打で主導権を握った。同校の聖地春夏通算100試合目を白星で飾り、史上7校目の夏連覇へ向け、1歩を踏み出した。聖光学院(福島)は、共栄学園(東東京)に9-3で快勝。先発の小室朱生投手(3年)が、5回1/3を2安打無失点。打撃は先発全員の16安打9得点の猛攻で圧倒した。両校は12日の2回戦で直接対決する。
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開会式から8時間35分後、午後5時35分開始の第3試合でも、仙台育英の強力打線は疲れを見せずに初回から火を噴いた。2死二、三塁の好機をつくり、斎藤敏が豪快なスイングで一塁手を強襲する2点適時二塁打で先制した。須江航監督(40)が「第3試合なので、とにかく試合の入りが重要になる」とポイントに挙げた立ち上がりに、一挙4点で主導権を握った。
5点リードの3回2死二塁では、尾形が「最高の一打になった」と右翼席へ大会第2号となる2ラン。数十秒後、続く湯田が再現するかのように右翼席へ2者連続本塁打を放った。東北勢初優勝の昨夏は決勝での1本のみだった柵越えを連発し、長打力を発揮した。それでも9点リードの4回に4失点し、須江監督は「1点をもぎ取るような野球をしないと」。中盤以降は小技を駆使して着実に加点し、猛攻する相手から逃げ切った。
前日5日の練習では、炎天下で須江監督が打撃投手を務めた。「自分が投げると、1人1人の調子が分かる。打順とか戦略とか、作戦を決めるため」。この日、先制適時打の斎藤敏は「須江先生が投げてくれることによって、自分が崩れている時にアドバイスをもらう。そこから状態が良くなる」と感謝を伝えた。
最速145キロ超の投手陣をそろえ「投手王国」とも呼ばれるが、野手でもVメンバー5人が残る。山田は「今までピッチャーにおんぶで抱っこだった。野手陣がピッチャーを救えたかな」と笑顔を見せた。連覇がかかる夏は、仙台一中(現仙台一)の宮城県勢初出場から、ちょうど100周年。次戦の相手は、16安打と同じく快勝発進した聖光学院。返還した深紅の大優勝旗をもう1度東北へ-。目の前の相手に、全力で立ち向かう。【相沢孔志】
◆春夏通算2600号 仙台育英・湯田が放った1発は、春夏通算で区切りの2600号。センバツでは837本、夏は1763本目になった。
◆連覇挑戦校の大量得点発進 夏の大会連覇を狙うのは今回の仙台育英で延べ41校目(1917年優勝の愛知一中は米騒動で中止の18年を挟んだ19年をカウント)。初戦成績は27勝14敗となった(勝率6割5分9厘)。連覇挑戦校の初戦得点では30年広島商14-4浪華商、84年PL学園14-1享栄の各14点を上回る史上最多となった。