<全国高校野球選手権:花巻東4-1宇部鴻城>◇8日◇1回戦◇甲子園球場
花巻東(岩手)が8年ぶりに夏の甲子園で1勝を挙げた。投打がかみ合い、宇部鴻城(山口)に4-1で勝利。高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)を軸に打線が10安打とつながり、投げては小松龍一投手(2年)が9回途中4安打10奪三振1失点と快投した。この白星で佐々木洋監督(48)は夏通算10勝に到達。13日の2回戦はクラーク(北北海道)と対戦する。
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花巻東が一丸で8年ぶりの夏1勝をつかんだ。打線が10安打とつながり、投手陣も3人の継投で最少失点。投打がかみ合い初戦を突破した。佐々木監督は「久しぶりに校歌を歌えてうれしい」とかみしめた。
4回にたたみかけた。無死二塁、3番佐々木麟が先制打を放ち、なおも1死二、三塁で6番広内駿汰外野手(3年)が2点適時打を運んで主導権を握った。5回には北條慎治外野手(3年)も適時二塁打を決め、リードを4点に広げた。チームは横手投げを苦手にしていたが、宇部鴻城のサイド右腕・浅田真樹投手(3年)を中盤でKOした。
ある控え部員が難敵攻略に一役買った。サイド右腕・柏崎駿投手(3年)が仮想・浅田となり、打撃投手を務めてボールの軌道や変化球の球速、落ち方も再現。柏崎は2年春に右肘を痛めて手術し、3年時には投げられるまでに回復も、痛みが再発して選手の道は断念せざるを得なくなった。それでも「バッティングピッチャーとして貢献できるようになって良かった」。痛みが残る右腕を必死に振り、7月30日の関西入りから帯同してチーム練習をサポートしている。
だからこそ負けるわけにはいかなかった。佐々木麟は「サポートしてくれる仲間だったり、支えてくださる方がいたので、とにかくそういう人たちのために勝とうと思っていた」。北條は「相手エースの浅田君がサイドなので、柏崎がサイドで投げてくれて、けっこう似たような球を投げてくれて、練習通りに打つことができた」と感謝した。
次戦は13日にクラークと対戦する。目標の「岩手から日本一」に向けて1歩ずつ突き進む。【山田愛斗】