<全国高校野球選手権:専大松戸7-5東海大甲府>◇12日◇2回戦◇甲子園
ベテラン監督の采配がさえた。専大松戸(千葉)は同点の7回、2つのスクイズを決めて決勝点を奪った。持丸修一監督(75)の手堅く1点を取りにいく「持丸野球」で、東海大甲府(山梨)村中秀人監督(64)との名将対決を制した。春夏連続の初戦突破で、千葉県勢は夏の甲子園100勝に到達した。
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1点勝負は「持丸野球」の真骨頂だ。同点に追いついた7回、なおも1死一、三塁で、持丸監督は「相手投手はインコースのボールがいいから外野フライも難しい」と、スクイズを選択した。上迫田は、狙い通りセーフティースクイズを決めて勝ち越し。さらに1死満塁から、宮尾も一塁線へ打球を転がしスクイズを決めた。同監督は「一塁手がベースについていた」と、打球方向も指示していた。
1点を奪うための“徹底力”を磨いてきた。県大会準決勝で敗れた昨夏、エンドランの練習で右打者が何度もひっかけてゴロを打った。「本当に勝とうとしているのか?」。作戦の意図が見えない打撃に、持丸監督は全体練習を切り上げたことがあった。
選手たちは全員で話し合い、徹底するように確認。翌日、「もう1度練習を見てください」と直訴した。大森は「緊張感と覚悟をもって練習をするようになりました」。エンドランだけではない。走者が三塁にいれば内側からバットを出して犠飛で1点を取るのは最低限。走塁でもスキのないプレーを磨いてきた。大森は「無安打でも1点を取る。監督が何を求めているのか1人でも理解すれば共有できる。それをやろうとしないのは徹底とは違う」。この日は4回も1安打で3得点。持丸野球は、徹底されていた。
竜ケ崎一、藤代(ともに茨城)で28年間、県立校を率いた持丸監督にとって、1点をいかにとるかが強豪私立校を倒すカギだった。「県立高校で打撃のいいチームを作るのは難しい。今でもその戦法が残っていますね」と、笑顔を見せる。ベテラン監督の勝負勘が、専大松戸をたくましく成長させている。【保坂淑子】
◆千葉県勢100勝 専大松戸が勝ち、千葉県勢は夏の大会通算100勝目。全国47都道府県で100勝到達は10番目(最多は東京の185勝)。県内の学校別では銚子商(25勝)、習志野(20勝)、成田(10勝)が上位3傑。県勢初勝利は千葉中(現千葉)が1935年に石川県工を16-9で下して記録している。
◆千葉対茨城 3回戦で専大松戸と土浦日大が対戦する。千葉県勢と茨城県勢は1県1代表ではなかった59~72年に東関東大会で甲子園切符1枚を争った経緯もあり、過去の甲子園での対戦は52年夏に成田(千葉)が6-3で水戸商(茨城)に勝った1度だけ。