<全国高校野球選手権:神村学園11-1市和歌山>◇14日◇2回戦
神村学園(鹿児島)が市和歌山を11-1と圧倒し、ベスト16進出を決めた。
2番手で登板した背番号10の黒木陽琉(くろぎ・はる)投手(3年)が、好救援。ストレートとフォークを巧みに操って8三振を奪い、8回1失点の力投でチームを支えた。鳥栖工(佐賀)は強豪の日大三(西東京)を相手に先制も、6回に逆転を許し、1-3で惜敗した。
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ロングリリーフで試合を作った黒木が、16強の立役者となった。
初回2死満塁のピンチでマウンドを任され、堂々の投球。フルカウントでの捕手のサインはストレートだったが、首を横に振り、自ら選んだスライダーで三振を奪った。そこから9回2死までの8イニングを4安打1失点の好投。黒木は「ピンチの場面で少しギアを入れて、しっかり三振を取れて良かったです」と胸を張った。見守った小田大介監督も「9回までボールが生きていた。真っすぐで攻め、うまく変化球でカウントを取り、大人の投球をしてくれた」と目を細める出来だった。
1年時には、左肘の靱帯(じんたい)や神経の損傷で野球ができない時期もあった。体のケアの重要性に目覚め「逆に上半身の可動域が広くなって、スピードを上げられた」と苦境も糧に成長。それでも2年秋の県大会や九州大会ではメンバーに入れず。「悔しかった。厳しい時間にやることに意味があると思った」と九州大会のメンバー発表翌日から、早い日は朝3時に起きてランニングを始めた。そこで培った精神力とスタミナが、今夏の好投を支えた。
背番号は10だが、小田監督は「マウンド度胸が持ち味で、エース級」と信頼を寄せ「10番にしているのは、伸びしろがあるから、満足しないように」と期待する。「人生のエースになれ」とも伝えられている黒木は「夏のベスト8はまだないので、次も勝って記録を更新したいです」と先を見据えた。【永田淳】
◆2試合連続2桁得点 神村学園が立命館宇治戦(10-2)に次いで2桁得点。鹿児島県勢の2試合連続2桁得点は、94年樟南が準々決勝の長崎北陽台戦(14-5)、準決勝の柳ケ浦戦(10-2)で記録して以来、29年ぶり2度目。
◆鹿児島は和歌山キラー 神村学園が勝ち、鹿児島県勢は和歌山県勢に対して春夏通算9勝1分け(春5勝1分け、夏4勝)。和歌山県勢は全国47都道府県のうち、未対戦の山形県を除き鹿児島県が唯一未勝利。