<全国高校野球選手権:神村学園6-0おかやま山陽>◇19日◇準々決勝
「カミムラの進撃」が止まらない! 神村学園(鹿児島)がおかやま山陽(岡山)を6-0で退け、夏の甲子園初の4強入りを決めた。8回に敵失と犠打野選で得たチャンスに長短3安打を絡めた5点先制が効いた。10安打で6得点を挙げ、今大会4試合で49安打、37得点と好調。新チーム始動時には「力のないチーム」と言われ続けたが、試合ごとに成長。21日の準決勝で大会2連覇を狙う仙台育英(宮城)と激突する。
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神村学園が再び、新たな1ページを刻んだ。最終回1死一塁。最後は三ゴロ併殺でおかやま山陽を振り切った。05年春センバツ準優勝も、夏の甲子園では8強に続いて初の4強入り。小田大介監督(40)はベンチ前で何度もガッツポーズを繰り返し、喜びをかみしめた。「鹿児島県は最近ずっと甲子園で勝てていなかった。1勝でも多く勝ちたい思いがある」
これぞ4番の仕事ぶり。0-0の8回。敵失と犠打野戦から1死一、三塁の好機をつくり、2年生の4番正林は「思い切っていくだけ」と初球の真ん中直球を引っ張り、右前へ運んだ。先制タイムリーに一塁塁上で右こぶしを突き上げた。「積極的にいこうと。やっと1点入って良かった」。均衡を破る一打から打線がつながり、この回3安打で5得点。続く9回にも1点を加え、終盤決着に持ち込んだ。
嫌な流れだった。2回は無死一、三塁の先制機で無得点。正林も6回無死一塁では送りバントを失敗した。7回まで毎回のように走者を出すもあと1本が出ない。ホームが遠かった。そんな試合展開に「試合の流れを変えるのが4番」と主砲が奮起した。初戦から4戦全て安打を放ち、19打数8安打、5打点と主軸らしい仕事を続けている。
新チーム始動時、コーチ陣から「他人任せでまとまりがない」と言われ、怒られてばっかりだった。選手同士がばらばらの状態で、結果も出なかった。昨秋は九州大会の初戦で6回コールド負け。春は県大会の準々決勝で敗退した。「力のないチーム」。首脳陣の評価は厳しいままだった。今岡歩は「主将としてチームを変えたい」と心を鬼にして“嫌われ役”になった。「そんなプレーで甲子園に行けるかよ!」。練習から本音でぶつかり、言い合うことでチームに結束力は生まれた。
小田監督は「スター選手はいない。でも、団結力は歴代屈指。うちはチーム力で勝負なので」。準決勝は昨夏王者の仙台育英。1つにまとまった神村ナインに、恐れる相手などいない。【佐藤究】
◆宮城対鹿児島 準決勝で仙台育英と神村学園が対戦。過去の宮城県勢対鹿児島県勢は春夏計6度の対戦で3勝3敗。仙台育英と神村学園は15年春に対戦し、仙台育英が18安打を放ち12-0で大勝している。