<U18W杯リポート編>
<スーパーラウンド:日本2-5台湾>◇9日◇台北市立天母野球場
初優勝を目指す日本代表は、10日の決勝・台湾戦でマークするポイントがはっきりした。打線では1番打者の左打者チウ・シンが要注意ということははっきりした。
今回の大会は、日本が1次ラウンドで2位になったことで、スーパーラウンドの最終戦が台湾、そして決勝も台湾という連戦となった。考え方にもよるが、この日の戦い方は決勝を見据えた上で、いろいろ確認しながらの試合になったと感じる。
その上で試合を見ていくと、初回の台湾の3点が非常に大きかった。先頭のチウ・シンが、1番でDHとは珍しいなと感じた。先発高橋煌稀投手(3年=仙台育英)は140キロ後半をマークするも四球を与えてしまう。
ここで二盗、三盗された。二盗は尾形樹人捕手(3年=仙台育英)が投球を捕球できなかったが、三盗は捕球から送球まで良かったものの、チウ・シンのスタートが良かった。スピードもある。
この日、尾形は4盗塁を許しており、10日の決勝も台湾は機動力を駆使してくるだろう。
1番チウ・シンは足もあり、選球眼もいい。バットコントロールも巧みで、1番打者としては非常にいい素材だ。言うまでもなく、特に初回に出塁を許すと、相手リズムになる。まず、初回の1番チウ・シンに対してどういうピッチングをするかが、大きなポイントになるだろう。
台湾打線は7安打しているが、うち5本は真っすぐを打っている。私のプロでの経験上、オープン戦などで韓国、台湾の選手と対戦してきたが、真っすぐには非常に強い印象がある。この試合でも、甘く高めに入った真っすぐは見逃してくれない。
2番手の森煌誠投手(3年=徳島商)も真っすぐを打たれている。真っすぐは低く、高めは見せ球とする、こうした部分ははっきりさせておくことだろう。コースも間違わないことも、しっかり確認しておきたい。
3番手の安田虎汰郎投手(3年=日大三)のチェンジアップは有効だった。6回、8番打者に3球チェンジアップを続けて打たれた1本をのぞくと、4三振を奪ったことから、台湾打線はタイミングが合っていなかったことが分かる。
日本の予告先発は前田悠伍投手(3年=大阪桐蔭)。1番チウ・シンに対して、どこまできっちりとコースをついて投げられるかで、序盤の主導権を握れるかどうかがかかってくる。
乱打戦は考えにくく、僅差の試合になるのではないか。日本は初回に右翼に失策が出たが、犠飛の処理を焦ったように見えた。しっかり落ち着いたプレーをすれば、日本もそうは簡単に失点しないと感じる。
最後に、尾形捕手は初回の1死一、三塁で5番打者のカウント0-1から低めの変化球に対して、ミットで捕りに行って後ろにそらしている。ショートバウンドで判断が難しいところだが、体で止めに行けば、前にはじいた可能性はあった。
私は捕手出身だけに、そういう部分はじっくり見てしまう。やや軽率に見えた。こうしたことも、10日の決勝へのいい反省材料となる。しっかり確認して、決勝戦では存分に台湾打線とぶつかってほしい。(日刊スポーツ評論家)