青森山田は、秋季高校野球東北大会で8年ぶり2度目の優勝。来春のセンバツ出場が確実となった。青森山田の「6番二塁」伊藤英司内野手(1年)は、秋田・潟上市出身。小学生時代には金足農のエース吉田大輝投手(1年)とバッテリーを組み、今夏甲子園準Vメンバーの仙台育英・登藤海優史(みゅうじ)内野手(2年)とは小中学校のチームメートだった。
各県で奮闘するかつての仲間に刺激を受ける1年生が「大きな夢」を語った。
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明治神宮大会出場を懸けた決勝は、八戸学院光星との「青森対決」。3点リードの9回2死、捕邪飛で優勝が決まると伊藤はマウンドでチームメートと喜びを分かち合った。今大会は初戦の羽黒(山形)戦で3安打2打点、準々決勝・鶴岡東(山形)戦では2安打1打点と好守備で勝利に貢献。鶴岡東戦後、兜森崇朗監督(44)は、その活躍を高く評価した。
「いいところで1本、今大会でも出ているので、試合をやるごとに成長がめざましい。守備も攻撃も走塁もまだまだ粗削りな部分はありますが、守備のファインプレーもありましたので、日に日に良くなっている感じがします」
秋田・天王小1年から「天王ヴィクトリーズ」で野球を開始。5年秋から投手・吉田、捕手・伊藤のバッテリーが誕生した。伊藤は吉田のボールの威力をよく覚えている。
「ピンチの場面になると思い切り投げて『絶対打たせたくない』というのが、球から分かりました」
卒団後は吉田とともに天王中に進学。だが、伊藤は秋田北シニア、吉田は軟式野球とチームは別々となった。伊藤は同シニアで内野手に転向。そこには天王ヴィクトリーズの1年先輩、登藤がいた。
「守備がすごくうまくて、自分もショートで後ろで見ていたんですけど、それをまねしてやるようにしていました。守備も教えてくれて優しい先輩でした」
伊藤は秋の青森県大会からベンチ入り。「(登藤さんは)甲子園に出て堂々とプレーしているのはすごい。自分も県大会に出て緊張したが、甲子園だともっとあるはず」と、甲子園準優勝メンバーとなった登藤を尊敬している。
同じ甲子園出場を目指すかつてのチームメートから刺激を受け、大きな夢ができた。「いつか甲子園で金足農や仙台育英とやりたい」。全国舞台での再会を心待ちにし、負けじとレベルアップする。【相沢孔志】
○…金足農・吉田は、東北大会準々決勝で学法石川(福島)に惜敗。今夏の県初戦敗退に続き、来春の甲子園出場も厳しい状況となった。「自分的には入学した時、5回全部出る気持ちで入った。次は死に物狂いで勝ち取りにいくというか、気持ちでは負けない」と気合を入れた。来春以降の公式戦に向け、長い冬のトレーニングが始まる。「しっかり体を追い込み、来年は『なんか変わったな』と観客の皆さんに思ってもらえるように、すごい選手になりたい」と決意表明した。
○…仙台育英・登藤は夏の甲子園の取材で「(金足農・吉田から)『甲子園、頑張れ』と連絡が来ました。その人たちの分もしっかり頑張らないといけない」と意気込んでいた。吉田の兄輝星が、18年夏に甲子園準優勝。当時小学生の登藤は「吉田投手がすごく活躍していて、すごくうらやましくて。自分もあそこに立てたら」と小中の先輩から勇気をもらった。甲子園ではチームNO・1の守備力を買われ、全試合に出場。経験を武器に、最上級生として来年の飛躍を期す。