「あの夏を取り戻せ~全国元高校野球大会2020-2023~」の記者発表会が1日、武蔵野大学有明キャンパスで行われた。
2020年は新型コロナが流行し、5月20日に戦後初めて夏の甲子園の中止が発表された。それを受けて、武蔵野大3年の大武優斗さん(城西OB)が発起人となり、20年独自大会の優勝校や上位進出校(優勝校では仙台育英、中越、東海大甲府、東海大菅生、中京大中京、智弁和歌山、倉敷商、広島商は参加未定。京都、福岡、熊本は上位進出校での合同チームを予定)、選手総勢約600~800人の選手が、29日~12月1日にかけて交流試合を行うプロジェクトを立ち上げた。大武さんは「甲子園がなかったことで前に進めず、人生に困ってる選手が多くいる。だったら自分たちで終止符を打てるプロジェクトをしたいと思った」と思いを語った。
29日に甲子園で入場行進などの記念セレモニーを開催した後、全チームにそれぞれ5分間のシートノックの時間が設けられる。また、同日に甲子園で特別試合を2試合(対戦カードは調整中)行う。この日は対戦カードを決める抽せんも行われ、30日と12月1日に、甲子園を除く兵庫県内の5球場で計22試合の交流試合を行う予定となっている。観戦チケットはアプリ「Peatix」から無料で取得できる。
会の途中には、プロジェクトの公式アンバサダーを務める前阪神監督の矢野燿大氏(54)と荒木大輔氏(59)が登壇した。矢野氏は阪神の監督を務めていた20年6月、阪神園芸と共に、日本高野連に加盟する野球部の3年生部員全員に「甲子園の土」キーホルダーを贈呈した。交流戦に参加する元球児に向け「夢っていうのは、選手だけじゃなくて、家族の夢だったかもしれない。あの時戦えなかった思いを甲子園にぶつけてもらいたい」とエールを送った。
荒木氏は早実の選手時代に5季連続で甲子園に出場。「大ちゃんフィーバー」を巻き起こした。今回はサプライズで学生、社会人となった元球児に向け、ネクタイピンを贈呈した。「甲子園、めちゃくちゃ良いところです。甲子園球場の景色をしっかり見て、次のステップに向かっていってもらいたい」と話した。
実現に向けては資金面が最課題となる。宿泊費や交通費、傷害保険料となる選手関連費用で約4000万円、球場貸出料などの開催費用約2450万円の計6450万円が最低でも必要となる。1日現在では約3000万円を調達済みだが、不足した場合は選手の自己負担となる。資金不足のため、開催まで1カ月を切っても参加未定校や、参加予定でも参加を取りやめる学校もある。この日用意された組み合わせやぐらには、当初予定の44枠が用意されたが全て埋まらなかった。
資金はクラウドファンディングで集めており、大武さんは「『宿泊費や交通費は自分たちで払いなよ』という意見もありますが、1人でも多くの選手が資金的な理由で来られないというのをなくしたい。ぜひご支援して頂きたいと思います」と支援を呼びかけた。
【出場予定チームは以下の通り】
北北海道:クラーク
南北海道:札幌第一
青森:青森山田
岩手:一関学院
秋田:ノースアジア大明桜
山形:鶴岡東
福島:聖光学院
宮城:仙台育英
茨城:土浦湖北
栃木:佐野日大
群馬:桐生第一
埼玉:狭山ケ丘
山梨:東海大甲府
千葉:木更津総合
西東京:東海大菅生
東東京:帝京
神奈川:東海大相模
長野:佐久長聖
新潟:中越
富山:高岡第一
石川:日本航空
福井:敦賀気比
静岡:聖隷クリストファー
愛知:中京大中京
岐阜:大垣日大
三重:いなべ総合
滋賀:近江
京都:8校合同
奈良:天理
和歌山:智弁和歌山
大阪:関大北陽
兵庫:三田松聖
岡山:倉敷商
鳥取:倉吉東
広島:広島商
島根:益田東
山口:高川学園
香川:尽誠学園
愛媛:松山聖陵
徳島:鳴門
高知:高知
福岡:4校合同(福岡、九州国際大付、飯塚、西日本短大付)
佐賀:龍谷
長崎:大崎
熊本:3校合同(秀岳館のみ確定)
大分:津久見
宮崎:宮崎日大
鹿児島:神村学園
沖縄:八重山
【注】京都、熊本は現在出場選手調整中