<高校野球春季宮城大会:東陵4-3東北>◇18日◇2回戦◇鹿島台中央野球場
東陵が昨秋の仙台育英戦に続き、強豪に勝利した。東北を延長11回タイブレークの激闘の末、4-3で破り8強入り。2回に先制を許し、0-1で迎えた8回2死二塁で沼田和丸外野手(3年)の右翼線への適時打で同点に追いつき延長戦にもつれこむと、11回無死一、二塁で再び沼田が左翼線へ適時打。先発熊谷太雅投手(3年)を援護する貴重な勝ち越し点を挙げ、チームを勝利へと導いた。
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執念の安打だった。延長11回タイブレークの無死一、二塁で、先頭の沼田はインコース真っすぐを振り抜き左翼線へと運んだ。延長戦に突入してもなお、腕を振り続けた先発熊谷太に対し「なんとか援護したい。熊谷を助けたい一心だった」とベース上では雄たけびを上げ、喜びを爆発させた。
またも強豪を撃破して名をとどろかせた。昨秋の県大会準々決勝では、夏の甲子園で準優勝した直後の仙台育英に2-1で勝利した。同戦で完投勝利した熊谷太は、この試合は10回1/3まで3失点と好投をみせたが、138球を投じたところで限界を迎えた腕がつり降板。「最後まで投げたかったが、厳しかったので仲間を信じてマウンドを降りた」と4-3の1死一、二塁でエース真壁悠斗(3年)へと託した。外野手で先発出場していた真壁も足がつり、万全の状態ではなかったが、渾身(こんしん)の11球で歓喜の瞬間へと導いた。
「宮城県を驚かせるような試合をしよう」。千葉亮輔監督からナインらに伝えられた言葉だ。昨年は仙台大で早くも活躍する今野悠貴内野手(1年)ら力のある選手が多くいたが、今年は「力のないチーム」と指揮官。だが、それを選手が自覚しているからこそ好結果が生まれているという。沼田は「先輩たちと違って力がない世代というのをわかっているからこそ、みんなで一体にならなければ強いチームに張り合えないので、がむしゃらに食らいつくことを大事にしている」。一枚岩になって強豪の壁に立ち向かっている。
8強入りで夏のシード権を獲得したが、これで満足はしない。準々決勝は昨秋と同カードとなり、仙台育英と激突する。沼田は「昨年は奇跡のような勝利だったので、初めて戦う相手だと思ってチーム一丸となり立ち向かいたい」と2度目の勝利で奇跡ではなく実力と証明する。【木村有優】
○…東北は惜敗で2回戦敗退となった。佐藤洋監督は「もう1点取れるところで取れなかったのが大きかった」と2回の先制の場面を振り返り、「夏に向けて良い経験になった」と前を向いた。同校は思考力などを養うため監督ではなく、選手主体で采配をしているという。この春をもう一度振り返り、選手全員で最高の夏に向けてひた走る。