<春季高校野球宮城県大会:仙台育英3-1東陵>◇22日◇準々決勝◇仙台市民球場
長い冬を越え、花が咲いた。仙台育英・山口廉王(れお)投手(3年)は「本当に長い8カ月間だった」と涙した。先発した昨秋準々決勝の東陵戦は2失点で降板。「気持ちに表せなかった」と敗戦を振り返る。春を迎え、待ち焦がれた再戦が実現。5回途中から3番手でマウンドに上がると、4回1/3を2安打5奪三振で1点も許さなかった。さらに1-1の8回先頭では中越え三塁打を放ち、次打者の安打で決勝ホームを踏んだ。「野手が打たないなら投手が打たないと勝てない」。2度と同じ思いはしたくない執念だった。
最終回は渾身(こんしん)の3者連続三振。勝利の瞬間には大きなガッツポーズをみせた。2つ上の代は東北勢初の甲子園優勝、1つ上は同準優勝。華々しかった先輩たちと比べ、自分たちは東北大会にも出られないまま、オフシーズンに入った。「絶対にやり返してやる」。山口は、課題だった変化球の精度や制球力を磨いてきた。
特にカーブの質を上げるため、マウンドから本塁までの18・44メートルではなく、30メートルで投球。「遠距離でのカーブは、軌道を一番意識しやすい」と工夫を凝らした練習を重ね、結果につなげた。もちろん、ゴールはまだ先。東北大会がかかる準決勝(25日、石巻市民)では昨秋王者の聖和学園と激突。「一戦必勝でようやく優勝できると思う」。8カ月間の思いを胸に全力で戦い抜く。【木村有優】