<高校野球佐賀大会:佐賀北10-0厳木(5回コールド)>◇2回戦◇8日◇佐賀県立
「がばい旋風」を再び! 春の県王者、佐賀北が9安打10得点の5回コールド勝ちで厳木(きゅうらぎ)に快勝し、2年ぶりに初戦を突破した。1番中村太飛(ひろと)内野手(3年)が2安打2打点で猛攻をけん引。同校OBで19年夏の甲子園に出場した兄の一翔(かずと)さん(大学生)の背中を追い、「KITAKO」のユニホームに袖を通す背番号4。07年夏に成し遂げた全国Vの再現へ、まずは5年ぶりの聖地切符をつかむ。
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試合を決定づける一打に、中村は一塁ベース上で会心の笑顔を見せた。佐賀北が5点リードで迎えた3回2死満塁。内角直球にバットを出した。詰まった当たりは、右前へのポテン打。2人の走者が生還し、リードを7点に広げた。「いいところで1本が出た」。その後も攻撃の手を緩めず、この回打者一巡の猛攻で一挙8得点。9安打10得点を積み上げ、5回コールド勝ちの圧勝発進に貢献した。
1番の役割を忠実にこなす。初回の先頭で右翼線へ二塁打を放った。「1番の初回の出塁がチームを勝利に導くと思っている。自分が出塁すれば勢いを持ってこられる」。新チーム以降からリードオフマンを担う。有言実行の一打をマークし、先制のホームも踏んだ。「今大会は打率5割、1試合2出塁が目標です」。志高く打線を引っ張り続ける。
昨夏は屈辱を味わった。「悔しさしかなかった」。前回大会で優勝した鳥栖工に1-2で敗れ、まさかの初戦敗退。秋、春は県大会を制していただけに「勝つイメージしかなかった」とショックは大きかった。正二塁手として出場しており、身をもって「夏の怖さ」を知った。
兄一翔さんも佐賀北で19年夏の甲子園に出場した。中学1年生だった中村は現地応援に駆けつけ、伝統の「KITAKO」のユニホームに憧れた。「全員で1点を取りにいく野球。1人1人が役割を果たしてるのがかっこよかった」。
07年に帝京(東東京)や広陵(広島)など強豪私学を次々に撃破し、「がばい旋風」で全国制覇を成し遂げた。現3年生は当時0歳か1歳。当然、誰も記憶にないが、遠征先に向かうバスの中で選手たちは当時のVTRを視聴し、先輩たちの偉業を目に焼き付けてきた。「士気も高まるし、常に甲子園を意識している。昨夏の分も今年は絶対に甲子園に行きます」。佐賀県民がフィーバーしたあの歓喜を、17年の時を超えて再現する。【佐藤究】
◆中村太飛(なかむら・ひろと)2006年(平18)11月20日生まれ、佐賀県吉野ケ里町出身。小学3年から野球を始め、東脊振(せふり)中では軟式野球部に所属。佐賀北では1年秋からベンチ入り。目標のプロ野球選手は巨人坂本勇人。好きな芸能人はお笑いコンビのパンクブーブー。趣味は寝ること。172センチ、70キロ。右投げ右打ち。