<高校野球神奈川大会:横須賀工10-7神奈川工>◇1回戦◇8日◇横須賀スタジアム
エンジン全開の夏にする。高校野球神奈川大会1回戦で、横須賀工が神奈川工に13安打10得点で打ち勝った。授業の半分を工業系の科目が占める。特に生徒たちから人気があるという「旋盤実習」で培った集中力を、野球にも生かした。攻守で躍動した4番竹内悠人(はると)捕手(3年)は3安打2打点で4得点。“工業対決”を制し、2回戦に向けて順調な滑り出しを切った。
「旋盤実習」で磨きあげた集中力が野球にも生きた。2-4の3回1死一、二塁。一時同点となる2点適時三塁打を放った横須賀工の4番竹内は、三塁塁上でほえた。3安打2打点とバットで貢献し、守備では2日前に体調を崩していたエース京(きょう)を含む2投手を巧みにリード。攻守で初戦突破のキーマンとなった。
男子生徒が9割近くを占める工業高校。実習は週に4回行われ、特に人気の授業が「旋盤実習」だ。鉄を切るなど危険な作業がともなうため、作業服を着て、鉄の入った頑丈な安全靴を履き、保護グラスを着用した安全第一の格好で行う。
部品を作る過程で40ミリの鉄を20ミリに削る作業は、特に集中力が必要となる。「20ミリって2センチだけじゃんって思うかもしれないんですけど、工業の中だったら結構、大きい数字で…」と竹内。1歩間違えればケガにつながる緊張感ある空間で、神経をとがらせながら生徒たちは日々学んでいる。普段は明るい部員たちも「ふざけることができないですね。1つのことに集中するっていうのが大事です」と気を引き締める。日々ものづくりをしているため「バットとか、ものは大切にしていきたいな」と笑顔で話した。
昨夏の初戦は4安打に終わり、1-8で麻溝台に敗れた。今夏は両チーム2桁安打の乱打戦を制し、19年以来の初戦突破。次戦も得意の集中力で、激戦区神奈川を駆け上がる。【佐瀬百合子】