ドラフト候補の横浜隼人・沼井伶穏152球3失点完投 11球団36人スカウトの前で148キロ/神奈川

横浜隼人対鶴嶺 横浜隼人先発の沼井(撮影・野上伸悟)

<高校野球神奈川大会:横浜隼人6-3鶴嶺>◇9日◇2回戦◇バッティングパレス相石スタジアムひらつか

ナイジェリア人の父を持つ将来性豊かな右腕が、夏初登板で152球を投げ抜いた。高校野球神奈川大会2回戦で、今秋ドラフト候補に挙がる横浜隼人のエース・沼井伶穏(れおん)投手(3年)が大会初先発し、9回3失点で完投。11球団36人のスカウトが集まる中、最速は148キロをマークした。目標と語る高校からのプロ入りへ、アピールを続けていく。プロ注目の横浜(神奈川)・椎木卿五捕手(3年)は夏初戦で3安打を放った。

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「今日は全部投げきるつもりで」。エース沼井は、登板前の心境を明かした。9回1死一、二塁、152球目で二ゴロ併殺打に仕留め、思い通り完投。走者を出しても冷静に、3度併殺で打ち取り要所を締めた。

バックネット裏には36人のスカウトがズラリと集まった。奪った三振は5。酷暑の中、4四死球で10安打を浴びながら、自己最速の149キロに迫る148キロをマークした。

伸びしろは計り知れない。現在身長は186センチだが「まだ伸びています」と成長中。身長が止まるまでは激しいウエートトレーニングはしない。「まだ体の力は弱い」と自己評価する。将来性豊かな右腕に、水谷監督は「この現状でこれだけ投げられるのですから、大きくなったときが楽しみです」と期待している。

沼井が投手を始めたのは中学3年。「当初は変化球とかわからなかったので、直球とカーブだけの球種でした」。その中で直球にこだわり、力勝負で抑えてきた。横浜隼人では2年春からベンチ入り。「自分ならできると思いすぎていました」と過信に変わってしまった時期があった。

他県の強豪校との練習試合などを経験し、上のレベルでは武器とする力勝負だけでは通用しないと感じた。考えを改め、課題であった制球力の強化に取り組んだ。この日は「真っすぐのコントロールが良かった」と、コーナーをついた。今では球種も増え、スライダーとフォークも投げる。「直球に加え、変化球の決め球も磨いていきたい」と理想の投手像を描く。

高校卒業後のプロ入りを目指すべく今夏は「いろんな方に見ていただいて、自分の能力を証明する大会にしたい」と意気込む。勝ち続けることがアピール。エースは自分のため、そしてチームのために、この夏を投げ続ける。【深田雄智】

▽ヤクルト斉藤スカウト ポテンシャルが高く、伸びしろしか感じません。ピンチでギアを上げて145キロとかが出る時もありますし、素材型の投手です。

▽楽天後関スカウト部長 覚えることはたくさんあるけれど運動能力も高いし、大化けしてすごい投手になる可能性を秘めています。

▽DeNA萩原常務取締役チーム統括本部長(6人での沼井視察に) まずは選手評価への目線を揃えようと。素材としては素晴らしいですよね。同じ力ならば地元選手を優先、というのはあると思います

○…公立の注目右腕の鶴嶺上川洋瑛投手(3年)が9回154球の熱投も力及ばず初戦で姿を消した。自慢のコントロールがこの日はさえず3度の暴投。1本塁打を含む12安打6失点で、横浜隼人・沼井に投げ負けた。「相手の応援の力と自分で良いピッチングをしなきゃいけないというプレッシャーに負けました」と唇をかんだ。今後は「大学へ進学して力をつけます」と将来を見据えた。

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