<ラストカレンダー~夏の終わり~ 八丈・奥山類主将(3年)>
<高校野球東東京大会:明大中野14-1八丈>◇14日◇3回戦◇神宮
「楽しく良い雰囲気で」。大敗だったが、八丈の奥山類主将(3年)は3年生4人で作り上げたチームに胸を張った。試練の連続だった、この1年。新チーム発足後すぐの昨年8月、守備練習中に右手親指を骨折し、秋の大会には出場できなかった。今夏の大会直前には38度の発熱に苦しみ、その影響もあってか、スタメン出場した7日の初戦では左足がつって無念の途中交代。それでも主将として気丈に振る舞ってきた。
原動力は「島の人々に喜びを還元したい」との思いから。実戦不足を補うべく、島在住の野球経験者の大人たちが仕事の合間を縫って練習に付き合ってくれたり、スポーツドリンクを差し入れてくれる人もいた。そんな島の人たちへ、感謝の夏2勝。恩返しになったのではとの問いに「そうだとうれしいです」と照れ笑いした。
笹本義範監督(50)が「責任感が強い」と評する好青年は、卒業後、専門学校に進学希望で八丈島を離れる予定。夢は理学療法士になることだ。この日の夜、仲間と一緒にフェリーに乗って帰路に就く。10時間以上、船に揺られて、いつも温かく見守ってくれた島の人たちのもとへと帰る。【水谷京裕】