<高校野球神奈川大会:慶応4-1横浜商大高>◇17日◇横須賀スタジアム
再び夏の頂へ、エースが帰ってきた。
昨夏の甲子園優勝投手、慶応(神奈川)小宅雅己投手(2年)が3-1とリードした7回2死二、三塁と一打同点の場面で今夏初登板した。
いきなりピンチでの投球も三振に抑え、8回も2奪三振で3者凡退。9回は3安打を許したが、横浜商大高に最後まで得点を与えなかった。投球を振り返り「カットボールが良かったです」と甲子園から手応えをつかんだ変化球でアウトを重ねた。
体の調子も夏に向け照準を合わせた。春先は腰痛で調整が遅れ、背番号は11に。しかし今は「コンディションは上がっている。あとは試合でどれだけ成長できるか」と万全を強調した。
あの夏の経験も十分に生かす。「一番成長したのは精神面。どんな場面でも落ち着いて投げられます」。昨夏の大舞台で味わった緊張感を武器に、ピンチでも動じない。マウンド上では笑顔でいる場面も多く「サインが合わなかったです」と何が起こってもエンジョイベースボールの教えに忠実だった。
森林貴彦監督(51)は登板前のエースに「元気に投げてこい。同点になってもいいから」と送り出し「エースだからといって全部抑えろと期待すると、それがかえって苦しくなると思うので」。頂点を知る監督ならではの配慮した言葉選びがあった。
18日は強豪・桐蔭学園と対戦。継続試合を制したチームは連戦となるが、背番号1は「勝利のために自分がやるべきことをやるだけです」と淡々と意気込んだ。再び深紅の優勝旗を目指し、エースの夏が始まった。【深田雄智】
○…横浜商大高(神奈川)のエース磯貝駿乃介投手(3年)が2日間180球の熱投も惜しくも及ばなかった。10奪三振で5安打に抑えるもバントで揺さぶりをかけてきた慶応打線に惑わされ、四死球は8。「やりにくかったです」と昨夏王者の術中にはまった。しかし「やりきった。悔いはないです」と振り返った。今後は「大学で力をつけます。そしてプロへ行きたいです」と将来を描く。