秋田商・阿部大和1点追う9回2死満塁で空振り三振「粘り切れなかった」最後の夏終わる/秋田

秋田商対金足農 5-6で迎えた9回2死満塁、空振り三振に終わる秋田商・阿部(撮影・濱本神威)

<高校野球秋田大会:金足農6-5秋田商>◇21日◇決勝◇さきがけ八橋球場

1点を追う9回2死満塁、秋田商の打席には阿部大和外野手(3年)が立った。カウント2-2からの5球目は外角低めのボール球。思わず手が出たが、空振りした球を金足農の捕手が前にはじいたのを見て、一塁へ駆け出した。「何とか食らいついて食らいついて…。とにかく食らいつこうと考えていた」。懸命に走ったが、阿部が一塁へたどり着いたのは、一塁手のミットに球が収まった2秒後。アウトを告げられると、膝に手をついてうなだれた。「自分が粘り切れなかった。本当に悔しい」。最後の夏が終わった。

今春の県大会後から「プロップマン(チームの支柱)」という役割を担った。練習では主将の上に立ち、チーム全体を見てまとめていった。中軸を担う越川颯真外野手(3年)は「(阿部の)本気で甲子園を目指している姿が、チーム全体の意識を変え始めた」。阿部の厳しさが伝染。昨秋は3回戦でサヨナラ負けを喫したチームが、夏の決勝で接戦を繰り広げるまでになった。阿部を中心に、何度も壁を乗り越えてきた。

金足農OBの父伸吾さんには「大和らしいプレーをすれば、絶対チームに貢献できる。大丈夫だよ」と送り出された。父の母校との大一番。3回には四球で出塁し、チーム1点目のホームを踏んだ。6、8回には犠打でチャンスを広げた。自分らしく役割に徹した。「これから先、また壁にぶち当たる場面は必ず来る。高校で学んだ諦めないことや、1つの物事に対する集中力を発揮して、つらくも楽しい人生を歩んでいきたい」と真っすぐ前を向いた。昨夏も決勝で敗退。甲子園に届かなかった「あと1歩」も糧として、自分らしく歩んでいく。【濱本神威】

▼秋田商・太田直監督 弱い者の集まりだったのが、毎日毎日鍛えて鍛えて。苦しい1年間だったと思うんですけど、こういったゲームをできるまでになった。よく頑張った。

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