<高校野球埼玉大会:花咲徳栄12-9西武台>◇24日◇準々決勝◇大宮公園
試合を終え、花咲徳栄・岩井隆監督(54)は開口一番「長くなってすいません」と口にし「高校野球、ですよね」と嵐のような試合を振り返った。
あと1球でコールド勝ちというペースから、まさかの7失点。9回に同点にされ、横山翔也一塁手(3年)のファインプレーがなければ、サヨナラ負けだった。「こんなの初めてじゃないかな…いい経験になりました」と名将自身も気を引き締めた様子だ。
それでも光ったのは横山含め、守備だ。「しっかり守っていればね、相手の四球とかミスも出てくることがあるし」。
今秋ドラフト上位候補に挙がる石塚裕惺内野手(3年)も見事だった。8回1死二塁の守り。ゲリラ豪雨の雲が雨雲レーダーによると川越市あたりにさしかかり、大宮にもいきなり突風が吹き始める。北風かと思ったらすぐに南風。グラウンドを砂埃が舞う中で、遊撃へのゴロを難なく捕り、難なく送球した。
1時間26分の中断でも流れは簡単には変わらず。結局9回に追いつかれたものの、8回に石塚が捕球か送球かどちらかを砂埃にやられていたら、相手は上位打線に。一気にたたみかけられていた可能性もある。
延長10回、タイブレークに持ち込まれた勝負でケリをつけたのも石塚。「守備で横山がしっかりつないでくれたので、自分もつなげれば」。相手三塁手が「一瞬で、怪物みたいに襲ってきた」と形容した痛烈ライナーで三塁線を抜き、苦しい試合に終止符を打った。【金子真仁】