<高校野球埼玉大会:春日部共栄6-5浦和学院>◇24日◇準々決勝◇レジデンシャルスタジアム大宮
劇的勝利で名将の夏をつないだ。春日部共栄が昨夏代表の浦和学院に逆転勝ちした。逆転を許した直後の9回に2点差を追いつくと、坂寄孝太内野手(3年)の2点適時打で勝ち越し。激闘を制し、本年度限りで勇退する本多利治監督(66)に準決勝の舞台を用意した。
「最も怒られた男」の恩返しだ。9回2死満塁で坂寄は「絶対に三塁走者をかえす。絶対に決める」。高めの直球に無我夢中で食らいつき「どこに打ったかも覚えていない」。打球は中堅手の前に落ちた。勝ち越し打に塁上で大きくガッツポーズした。
練習試合ではミスが多く、本多監督に何度も叱られた。「(試合に)使わないぞ」と言われたこともあったが、「3年で背番号をもらえないのは嫌だ」と悔しさを糧に何度も食らいついた。その根性が、値千金の一打を生み出した。本多監督は「一番俺に怒られているやつが最後やってくれましたね」と大喜びだった。
坂寄は「監督の夏を終わらせるわけにはいかない。監督と甲子園に行く」と力強い。10年ぶりの夏の甲子園出場を果たし、もう1度、監督に恩返しをする。【野見山拓樹】