花巻東が県勢最多12度目となる夏の甲子園「ここまで成長するとは思っていなかった」監督/岩手

花巻東対盛岡大付 優勝が決まりマウンドに集まる花巻東の選手たち(撮影・古川真弥)

<高校野球岩手大会:花巻東4-3盛岡大付>◇25日◇決勝◇きたぎんボールパーク

昨秋の県初戦敗退から始まったチームが、夏の頂点に立った。花巻東が盛岡大付に4-3で競り勝ち、2年連続の夏の甲子園出場を決めた。5回2死三塁に簗田蒼汰内野手(3年)の中前適時打で先制。7回に同点に追い付かれるも、8、9回と得点し、盛岡大付の猛追を振り切った。しのぎを削ってきたライバルに勝利し、12度目の甲子園出場は岩手県最多。胸を張って大舞台に乗り込む。

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花巻東ナインのほとんどが初めて味わう、夏の歓喜の瞬間だった。マウンドで喜びを爆発させる選手たちに、佐々木洋監督(48)は「ここまで成長するとは正直思っていなかった」と目を細めた。新チームで、昨夏の甲子園でもベンチに入っていたのは小松龍一、葛西陸(ともに3年)ら投手2人と簗田の3人。満足にお互いの意思疎通がないまま秋が始まり、初戦で盛岡大付に6-7で敗れた。

どん底からはい上がった。3月には関西遠征で練習試合を重ねた。佐々木監督は「これまで触れ合っている時間が少なかった。時間を取り戻すために」。練習試合の前後にも練習を入れ、選手との対話を増やした。春は県決勝で盛岡大付に3-0。東北大会決勝では弘前学院聖愛に3-2で勝利し、14年以来10年ぶりに春の東北王者となった。

しかし、それはジンクスでもあった。春に東北を制しても、14年は夏の決勝で盛岡大付に敗れた苦い記憶が指揮官にはあった。春の東北王者となり、練習で緩んだ空気が目に留まると、当時の話をした。簗田は「(盛岡大付は)負けられない相手。1戦1戦、意識しました」。お互い勝ち進むにつれ、決勝での対戦が見えてきた。結果は10年前と逆にしなければいけない。全員の身は引き締まった。

高校通算140本塁打を誇る佐々木麟太郎を擁した昨夏は全国8強。その代よりも、機動力に自信がある。佐々木監督は「勝てるチームだと思っています。先輩たちの記録を超せるようにとにかく上を目指して」。8強超え、そしてその先の日本一へと駆け上がる。【濱本神威】

◆花巻東 1956年(昭31)創立の花巻商(のちの富士短大付花巻)と57年創立の谷村学院が82年に統合した私立校。生徒数は741人(うち女子312人)、野球部は56年創部で部員数106人。甲子園出場は春4度、夏は12度目。主な卒業生はブルージェイズ菊池雄星、ドジャース大谷翔平、スタンフォード大佐々木麟太郎ら。所在地は花巻市松園町55の1。小田島順造校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦5-0花巻農

3回戦11-0釜石商工

準々決勝6-1盛岡中央

準決勝6-2一関学院

決勝4-3盛岡大付

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