<全国高校野球選手権:東海大相模8-1広陵>◇16日◇3回戦
広陵(広島)のプロ注目で最速148キロ右腕、高尾響投手(3年)の夏が終わった。4季連続で甲子園出場も2年春の4強が最高。夏は2年連続で16強に終わったが「悔いなく終われた。自分がやれることをやってきたと思いますし、悔しい思いもあるけど、みんなとできたことは宝物ですし、大事にしたい」と涙なく甲子園を後にした。
1年春の県大会から10番でベンチ入り。中国大会からは「背番号1」を背負った。同年秋の明治神宮大会で11番となったが、翌年のセンバツ以降はエースナンバーを守り続けた。「みんなの思いも背負ってますし、一番信用されている。一番大事な背番号ですし、チームを勝たせるためにつける番号」。名門の1番の重圧や弱音を周囲には一切漏らさなかった。
最上級生として引っ張る立場になったが、新チーム当初は状態が悪く苦しんだ。冬を越えると山口大樹投手(3年)が台頭。それでも甲子園に戻るとエースは快投を披露した。初戦の熊本工戦では9回1失点完投。4季連続先発勝利と大黒柱として支え続けた。
4度経験した甲子園は「気持ちの部分が一番成長できた」。寮生活のため普段は会うことはできないが、母美穗さん(49)も息子の変化に気づいた。「3年生になって気持ちが強くなった。テレビで響を見ると目つきが違うなと。戦う目をしている」。5人兄弟の末っ子は聖地のマウンドで大きくなった。
成長を一番近くで見守った中井哲之監督(62)も「最後まで背番号1を守り抜いて立派ですよね」と感嘆した。今後について高尾は「社会人かプロ」と話し、目標とする選手は「技でかわしてバッターを打ち取るお手本のようなピッチング」の同校OBの広島野村。甲子園から高尾が羽ばたく。【林亮佑】