【甲子園】「出雲大社の神様」ありがとう!大社93年ぶり8強 149球熱投馬庭優太が死闘に終止符

早実対大社 11回裏大社無死満塁、馬庭はサヨナラ打を放ち喜ぶ(撮影・足立雅史)

<全国高校野球選手権:大社3-2早実>◇17日◇3回戦

大社(島根)が早実(西東京)との激闘を制し、93年ぶりの8強進出を果たした。延長タイブレーク11回までもつれたゲームで、エース馬庭優太投手(3年)が149球の熱投で2失点完投&サヨナラ打と投打でヒーローとなった。9回に内野5人シフトを敷くなどバント対策を講じた早実との球史に残る死闘で勝ちきった。また智弁学園(奈良)、京都国際、神村学園(鹿児島)が準々決勝に駒を進め、8強が出そろった。

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大社・馬庭は一塁ベースを踏んでゆっくりと歩みを止め、両手を頭上に広げて天を仰いだ。「出雲大社の神様が見てくれていると信じていたので、『見守ってくださりありがとうございます』という気持ちでした」。延長11回、無死満塁から中前にサヨナラ打。1915年(大4)の第1回選手権大会出場校と同年からの地方大会皆勤校による、開場100周年の聖地で繰り広げられた2時間40分の死闘に、終止符を打った。

球史に残る熱戦だった。1-1と同点の7回、早実先頭・内囿の打球を中堅手藤原がトンネルし、勝ち越しを許した。それでも9回無死一、三塁から高橋翔がスクイズを決め同点。なおも1死二、三塁、今度は早実に左翼手をマウンド左に置く内野5人態勢の“大社シフト”を敷かれた。藤江の打球は仰天シフトの網にかかって「左ゴロ併殺プレー」。延長にもつれた激闘は両アルプスによる地鳴りのような大応援合戦の中、32年ぶり出場の大社に軍配が上がった。

異様な雰囲気の中、エース馬庭が熱投した。報徳学園(兵庫)戦で137球、創成館(長崎)戦では115球を投じ、この日も最後まで1人で投げ抜いた。149球を投じ、計401球の3試合連続完投。「すごくつらかったんですけど、試合ができることはありがたくて、うれしい。次も投げたいです」と言い切った。

石飛文太監督(42)は興奮冷めやらぬまま「選手1人1人が正面からぶつかって、この勝利を手に入れた。選手、生徒の夢は無限大だなと思います」とたたえた。最後まで1度も諦めなかった大社ナインに、学校近くで見守る出雲大社の神様がほほ笑んだ。【古財稜明】

▼大社・藤原佑外野手(7回守備でのトンネルについて)「もっとグラブを下につけておけばよかったです。馬庭から(失策後に)『お前なら大丈夫や』って声をかけてくれて…。(馬庭が最後に)しっかり決めてくれたので、本当に最高です」

▼大社・藤江龍之介内野手(同点の9回1死二、三塁から内野5人シフトで左ゴロ)「相手のバッテリーの思うつぼにハマってしまったので、本当にやってしまった。悔しかった。ちょっとビックリした」

◆93年ぶり8強 大社が春夏を通じて初の1大会3勝。夏は31年以来93年ぶりの8強となった。夏の8強ブランクでは08年慶応の88年ぶりを上回る最長。

◆公立8強 大社が勝ち、今大会に出場した公立12校のうち1校だけベスト8に入った。夏の公立校の8強は22年高松商以来。2年連続で公立の8強なしだと大会初になっていただけに、踏みとどまった。

◆夏の地方大会皆勤校 大社は夏の第1回大会から地方大会に参加している。全国の地方大会皆勤校は15校あるが、15校の中で夏の全国8強入りは61年桐蔭(旧和歌山中)以来。

◆高校野球の主なシフト 甲子園では13年夏、済美が「カット打法」で注目された花巻東・千葉を封じるため中堅手をマウンドの三塁寄りに配置。それでも3安打を許した。63年夏の横浜は高田商戦で左翼手をベンチに下げて内野手を投入し、内野5人作戦は「カニばさみ」と呼ばれた。73年夏の柳川商は江川を擁した作新学院戦で走者三塁の3度のピンチに中堅手をマウンド付近に置き、すべて無得点に抑えた。95年夏の観音寺中央は日大藤沢戦で、中堅手を三塁前に置くスクイズ封じを試みた。

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