東北(宮城)が22日、創立130周年を記念し、20年以上前から交流があり、昨夏の甲子園で頂点に輝いた慶応(神奈川)との招待試合を東北福祉大野球場で行った。慶応ナインは試合後に「震災遺構」の名取震災復興伝承館などを訪れ、震災犠牲者へ鎮魂の祈りをささげた。
東北が創立130周年、創部120周年の節目の年に、昨夏107年ぶりに夏の甲子園を制した慶応を迎えて招待試合を行った。大場隼汰主将(2年)は「素晴らしい対戦相手とこのような試合ができて、結果関係なしでお互いのチームが楽しんで良い試合が作れた」と笑顔で話した。
宮城県仙台市出身の慶応・大棒(だいぼう)琉雅外野手(1年)は、試合には敗れたが3安打を放つ活躍をみせた。「招待される側になると思っていなかったので、すごく新鮮な気持ちだった」と凱旋(がいせん)試合を楽しんだ。
慶応の選手たちは試合後に震災遺構を訪問した。「なかなか実際に来る機会がなかったので日程を組んでいただいた」と、慶応・森林貴彦監督(51)の希望だった。震災時2歳だった大棒も、当時の記憶はほとんどないが「実際にこういうことが地元であったということは、これからにつないでいくべきだと思った」と、故郷の被災地を訪れた意義を改めて確認した。
ともに創部100年を超える伝統のある両校。東北もパドレスのダルビッシュをはじめ、多くのプロ野球選手を輩出してきた。佐藤洋監督(62)は「OBや卒業生が伝統をつないでくれたおかげでこの130周年がある。新しいものも取り入れながら、この先も伝統を守っていきたい」と力強く語った。
東北は16年以来、夏の甲子園出場から遠ざかっている。大場主将は「長い歴史の記念する年に携わることができてうれしい」と話すとともに聖地への思いも強く抱く。長い歴史を持つ古豪同士、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、「甲子園での再会」を約束した。【木村有優】
○…24年パリ五輪スケートボード女子ストリート銀メダリストの東北高1年の赤間凛音(りず)が、慶応との招待試合にサプライズ登場して始球式を行った。名前をコールされた瞬間、ナインや観客からはどよめきが起こった。野球部のユニホームを着てマウンドから投じるも、ツーバウンドで捕手のミットに。「ノーバウンド投球ができなくて、悔しいなと思ってます」と苦笑交じりに振り返った。