<高校野球宮城秋季大会中部地区予選:仙台育英8-1聖和学園>1日◇仙台市民
仙台育英が、今夏宮城大会決勝で敗れた聖和学園に8-1の7回コールドで勝利した。夏はベンチを外れていた最速143キロ左腕の吉川陽大(あきひろ)投手(2年)が先発し、6回5安打1失点。毎回の奪三振で11個の三振を積み上げ、相手打線を圧倒した。打線も12安打8得点を挙げ、悔しかった夏の借りを返した。聖和学園は、新チームの公式戦初戦で、悔しい敗戦からのスタートとなった。両校はともに県大会出場を決めている。
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期待の左腕が、任された出番でしっかりと結果を残した。吉川は「今日にマックスを持って来ようと思っていました」。この試合での登板は、今大会の組み合わせが決まったときから須江航監督(41)に託されていた。結果は6回11奪三振。「ストレートと変化球を織り交ぜて投球ができるのが長所。しっかりと出せました」とうなずいた。
今春地区大会の県大会出場がかかった試合では、先発登板し3回パーフェクトの投球を見せた。当時、須江監督には「夏のジョーカー的存在」と言われていたが、今夏は熾烈(しれつ)なチーム内競争の末にベンチ外となった。
だが、その悔しさを力に変えた。吉川は「自分を見つめ直すいい機会をいただいた」と振り返る。球速にとらわれず、変化球にこだわってきた。磨きをかけたカットボールや縦のスライダーで、相手のバットが空を切る。「自分は三振を取るピッチャーだと思う。11個というのは、自分を褒めてもいいんじゃないかなと思います」と満足げだ。須江監督も「『絶対に負けられない試合で先発できるようになりたい』と彼は言っていた。それを今日やってくれたんじゃないですかね」。背番号11の左腕の成長ぶりを喜んだ。
次戦は6日、東北と対戦する。吉川は「ピッチャー陣に刺激を与えられたのかなと思います。次、自分にもいい刺激を与えてもらいたい」と求めた。同じチームでもライバル同士。「日本一激しいチーム内競争」が熱を帯びる。【浜本神威】
○…聖和学園は打ち勝った夏とは違い、バックスクリーンに向かって整列する仙台育英を見つめた。1、2回と連打を浴びて5失点。3回に相手投手の暴投で1点を返すも、そこからさらに離された。すでに出場が決まっている県大会に向けて、八島知晴監督(46)は「やらなきゃいけないことがたくさんある。チーム作りも含めて本当に1から」。今夏初めて味わった甲子園へ、また歩み始めた。