<高校野球秋季神奈川県大会:横浜13-0金沢>◇8日◇2回戦◇横浜高・長浜グラウンド
秋の大会としては驚きの光景だった。普段は関係者以外は立ち入れない横浜高の長浜グラウンドが、公式戦使用のために一般開放された。試合開始1時間前から200人以上がノックなど練習を見つめ、試合中にはその倍ほどまで観客が膨れ上がった。
横浜市金沢区の高校同士の対決で、金沢の吉田斉監督は元ロッテ成瀬善久氏(38)らと同期の横浜高OB。加えて、横浜の新チームは東海大相模、健大高崎(群馬)らとともに関東トップクラスのレベルと、高校野球関係者たちの間で言われている。県大会初戦からこれだけの人を集める要素はそろっていた。
試合は金沢バッテリーが変化球主体でかわしにかかったものの、制球が定まらず。横浜打線が着実に四球を選んでチャンスを広げ、序盤で試合を決めた。5回コールド勝ちで3回戦進出を決めた。
この6月から異例の“2年生キャプテン”を務めていた阿部葉太外野手(2年)が、新チームでも選手同士での話し合いの末、あらためて主将に任命された。
「2年生でのキャプテンって、先輩がいてからこそできてた部分があったなと、3年生が抜けて感じて。自分たちが最上級生になってのキャプテンってやっぱり違うなと」
とはいえ、阿部の存在が薄れるほど横浜ベンチは活気がある。それぞれがそれぞれに指示を出している。
「(村田)監督にも言われているんですけど、2年生の中で少しずつリーダーが出てきたなって。キャプテンだけじゃなくて、いろいろな人がリーダーの意識を持つのはいいことだと思っています。やっぱり、チームでやっているので」
試合でも、1番打者としてしっかりヒットを打った阿部の存在感が埋没しそうになるほど、それぞれがケースごとで役割を果たし、さすがの強さを見せた。
夏の神奈川大会では甲子園に手が届く場所まで行きながら、決勝戦の最後の最後、東海大相模に逆転された。「甲子園に行きたい気持ちが、あの時はもしかしたら相模の方が上になってしまっていたのかもしれません」と悔しがる。
来春センバツ出場への参考資料となる秋季関東大会に、今年は神奈川から3校が出場できる。チャンスは増えるけれど焦らない。
「まずは目の前の相手です。そして試合を通して強くなっていきたいです」
いつも通り、練習通り。ただ、自分たちへの注目度の高さはダイレクトに感じさせられたであろう、秋の始まりだった。【金子真仁】