クラーク仙台が2連覇 エース菊田波音、今大会3試合目の完封勝利 高校女子硬式野球ユース大会

連覇を喜ぶ菊田(右)と山中バッテリー(撮影・木村有優)

クラーク仙台(宮城)が、8月28日に岐阜で行われた第15回全国高校女子硬式野球ユース大会決勝で、神戸弘陵(兵庫)を1-0で破り、2連覇を果たした。先発左腕の菊田波音投手(2年)が4安打無失点で完封。打線は相手投手の好投に阻まれ、1回に谷津葵美外野手(1年)の先制中越え適時三塁打でたたき出した1点のみに抑えられたが、これをエース菊田が守り抜いた。

今大会、決勝を含め3試合に先発し、全て完封勝利したエース菊田が悔しさをバネに成長した姿を見せた。昨秋の同大会でマウンドに上がったのは全6試合中、初戦の1イニングのみ。歓喜の瞬間もベンチで迎えた。「昨年の優勝は先輩方や試合に出ている同級生のおかげだったので、自分で取ったうれしさではなかったですね…」。だが、今年は違う。「優勝の瞬間にマウンドにいられてすごくうれしかった」と、喜びをかみしめた。

冬場は課題でもあった内角への強気の投球に重点を置き、感覚をつかむために、ひたすら内角に投げ込んだ。女房役の山中美空捕手(2年)も「投げられなかったら、とにかくしつこくインコースだけに構えて練習してきた」と、妥協は一切許さなかった。

心が強くなる契機となった試合がある。今夏前に行った花巻東(岩手)との練習試合。1-0と完封ペースだったが、最終の7回に捕まり2失点で逆転負け。「自分が投げたら負けてしまうのではないか…」と、恐怖心が芽生えた。内角を攻めきれなかった。冬場にやってきたことができずに敗戦を招いた。「その試合から『絶対に投げてやる!』という気持ちに変わりました」。恐怖心を自ら打ち破った。

マウンドに立つ姿はエースそのものだった。「いつも『変化球が曲がらなかったらどうしよう、ストライクが入らなかったらどうしよう』と焦っている姿ばかり見てきた」という山中だったが、今は違う。「堂々と投げる姿をみて、成長を感じました」と、今大会での投球に衝撃を受けた。それでも、満足はしていない。菊田は「(山中)美空に頼りきりで試合を引っ張ってもらっているので、自分もどんどん意見を言って、もっと良いバッテリーになりたい」。チームのテーマは「超える」。先輩たちが成し遂げられなかった3大大会(選抜、選手権、ユース)制覇だ。選抜、選手権と残り2大会も勝ち上がり、新たな歴史を刻む。【木村有優】