<センバツ高校野球:聖光学院4-3常葉大菊川>◇22日◇1回戦
2年ぶり6度目出場の常葉大菊川が、1回戦で涙をのんだ。延長12回タイブレークの末に、3年ぶり7度目出場の聖光学院(福島)に3-4で惜敗。先発の大村昂輝投手(3年)が10回7安打2失点と力投したが、打線が援護しきれなかった。前回出場の23年に続き、初戦で敗退。13年以来、12年ぶりとなる春の甲子園勝利を逃した。
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2時間27分の死闘も、常葉大菊川に勝利の女神はほほ笑まなかった。3-3で迎えた延長12回タイブレーク。同11回に左翼からマウンドに上がった2番手の佐藤大介投手(2年)が、1死一、三塁のピンチを迎えた。カウント0-1からの2球目。カーブを捉えられた打球が中堅に上がる。これが犠飛となり、サヨナラの走者が生還した。
直前には一、二塁から右前に運ばれた打球を、児玉一琉外野手(3年)が好返球で本塁刺殺。土俵際で踏ん張ったが、最後は力尽きた。左腕は大粒の涙を流し「真っすぐを投げたかったけど、自分が首を振って投げられなかった。悔いが残る」と声を震わせた。12年ぶりのセンバツ勝利を目指した戦いが幕を閉じた。
打線もつながりを欠いた。聖光学院の2枚看板・技巧派左腕の大嶋、本格派右腕の管野を攻略しきれず、6安打で3得点。橘木千空主将(3年)は「全国レベルの投手になると、甘く入るボールは1球ぐらいしかない。そこを捉えきれず、相手の思った通りに抑えられた」と唇をかんだ。先発の大村が10回2失点と力投。狙い通りロースコアの展開に持ち込んだ流れを、攻撃につなげることは出来なかった。
それでも現メンバーにとっては、初の甲子園で「全国」を肌で感じた。背番号1を背負った佐藤大介は入学直後の故障もあり、この日が公式戦初登板と伸び代も十分。「チームを勝たせられる投手になって戻ってきたい」と必死に言葉をつないだ。橘木主将も「一発で捉える力を全員で徹底してつけていきたい。打つだけでなく、サインプレーなども含めて(攻撃の)バリエーションも増やさなければ」と顔を上げた。
聖地で味わった悔しさを糧に春、そして夏へ-。経験と課題を“土産”に静岡に帰る。
◆タイブレーク3イニング 常葉大菊川-聖光学院は延長12回で決着。タイブレークの3イニングは23年夏の鳥栖工3-2富山商(12回)に次いで2度目となり、春は初めて。23年夏は10回が両チーム無得点、11回に1点ずつを取り合い、12回に鳥栖工がサヨナラ勝ち。タイブレークで両チーム2イニングずつ得点を挙げたのは春夏を通じ初。